学校法人 和田学園  認定こども園 青竜幼稚園

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前園長日記/和田節子ライブラリー

『思い出さがし』 91・遠足の思い出②

おにぎりとパンの交換ですっかり打ち解けたハジメ君は、ポツリポツリと家のことを話し始めました。
お父さんが週末にしか帰って来ないこと、会社が遠くなったんだよと言うハジメ君は
「パパ大変だね。」と心配していました。ママについては、少し考えがあるらしく
「どうして会社が12時まで仕事をしているの?」と尋ねてきて、
「ママの仕事は会社じゃなくて会社から帰って夕食をすませた人の所へ行って、
保険の話をするから遅いのだと思うよ。」と言うと「ママも大変やね。
会社の中で仕事できるといいのにね。」とママの味方をしていました。
忙しいママに遠足のことが言えずにいたハジメ君の優しさに感心しながら、
お便りをしっかり見るゆとりもない母親のフォローをどうしたら良いか考え込んでしまいました。
5個のおにぎりを3個まで食べて「ありがとう。おいしかった。」と言ってくれるハジメ君に
「今度の遠足も一緒に食べようね。」というと、ちょっと間をおいて
「今度は、ぼく自分で作って来るから作り方教えてほしいな。」と言うので
「今度、幼稚園でみんなでやってみようね。」と答えると目がキラキラ輝いて
「本当やぞ。指きりやぞ。」と大喜びでした。その後先生達は、おにぎり作りをたてわり活動でもする様になり、
ハジメ君の喜びは毎日の活動にも表れました。ママは相変わらず多忙で、
パパは週末に来てハジメ君を自転車に乗せて2人でハイキングに行く様になり
「園長先生のおにぎり最高やった。」と言うのを聞き、ハイキングのおにぎりは、
父と子の合作だとわかりました。

2013年05月24日 11:33

『思い出さがし』 90・遠足の思い出①

子ども達にとって遠足は心がワクワクするすてきな活動です。
前の日に雨が降ると、てるてる坊主をたくさん作って天に祈る子もいっぱいです。
中には、てるてる坊主を10個も作って幼稚園へ持って来る子がいます。
どんなにか心楽しく待っていたのだろうと愛おしくなります。でもそんな時に無情に雨は降るのです。
「あ~あ。」と言いながらその日は遠足ごっこで盛り上がります。
園をリュック背負って、ひたすら歩いて見たて遊びをする子がいます。
大きい組のお兄ちゃんを海賊に見たてて戦いを始めたり、鬼ごっこをして楽しんだりもします。
そのうち、各々のクラスが課題活動に入ると広いプレイルームやホールを中心に、
お弁当を広げたり、おやつを披露したりして、遠足気分をしっかり味わっているようです。
そんななかで一人ポツンとリュックを担いで静かにしている子がいます。ハジメ君です。
お母さんは保険のお仕事で、夜も10時を過ぎる時が多く業績も大変良いため、
会社では重要なポストにあるらしいのです。
でもその分、一人息子のハジメ君は淋しくて夜も出張中のパパが電話をしてきても、
やはりママの遅いのは辛いのです。
そして、遠足のことを言いそびれて朝はパンを一枚紙にくるんで、
ジャムを一袋持ってバスに乗り込んで来たようです。
そんなわけで、おやつもなくお弁当はパン一切れなので、
みんな輪になって嬉しそうにお弁当やおやつを広げるのを淋しそうにしていたのです。
私はおにぎりを5個作り、各々中心に梅干し、さけ、昆布、たらこ、ゆかりを入れて、
ハジメ君と一緒に食べました。パンと交換しての昼食でした。ハジメ君は3個ペロリと食べ終えました。

2013年07月17日 11:37

『思い出さがし』 89・友達作り⑤

仲良しになったA子とB子が、クラスのリーダーとして頑張るようになったのは、
やはりお姉ちゃんになったという自覚も大きかったようです。
そして、お姉ちゃんの先輩である年中や年長の女の子達とも話が合うらしく、
朝の自主あそびではお姉ちゃんもクラスへ遊びに来てくれて、
遊びの幅がぐんと広がり始め、クラス全体が大きな輪になっていきました。
やがて男の子も楽しい遊びに参加してくるようになり、年少のクラスの質は高くなりました。
ごっこ遊びにお祭りごっこが出てきたり、劇ごっこが出てきたりました。
うらやましそうに見ていた年中組は、早速その真似をしてお祭りごっこが年中組に広がり、
おみこしを作ってかつぎ始めました。お祭りの太鼓がほしいと言い出したのも年中組でした。
この遊びに群れる子達は、各々自分の町のお祭りやお里のおばあちゃんのお祭りに
参加したことのある子達で「この前会ったね。」「○○ちゃんも行って来たね。」
と言葉を交わすのも楽しいようでした。友だちを作るきっかけを見つけた子ども達は、
嬉しそうに仲間の名前を呼び合って友だちになっていきます。
A子とB子は自分の気に入った年長中組のお兄ちゃん、お姉ちゃんと交流しています。
A子は男の子と遊ぶのが楽しいらしく、あまりお姉ちゃんを追っかけません。
B子はお姉ちゃんのあとにくっついてままごとに夢中です。
どうもそれには理由があるようで、A子には弟があり、B子には妹がいることが原因のようです。
こうも環境の影響を受けているのかと改めていい環境を用意することの大切さ、
その影響の大きさを実感しました。

2013年05月10日 14:23

『思い出さがし』 88・友だち作り④


初対面でバチバチと火花を散らした3才児A子とB子。本能的に自分の優位を示したかったのでしょうか。
このことについては、我が子が体験したことがあります。
末っ子の三男が1年生から2年生に進級した時のことです。初日からランドセルに泥がつき、
制服の背中にズックのあとがついていました。「どうしたの?」と聞くと、
くやしそうに涙声で「何もせんがにボクの横に来ていきなり『このクラスで一番強いのはオレやぞ。』と怒鳴って、
背中をズックで蹴って倒れた時にランドセルをもぎ取って花壇に投げつけたんや。
くやしかったけど、ボク黙って帰って来たんや。お母さん、強いってどんなことや。」
と聞いてきました。きっとその子は、体の大きい息子を見て、
自分が優位に立ちたいと強く思ったのでしょう。〈本当に強いってどういうこと〉と話し合う前に、
子どもはストレートに本能的に感じたことを表現するのでわかり易いが、
大人でもどこかで比較して相手との優劣を見極めているのだろうと思い、
息子のくやしさに寄り添いました。わかり易いA子とB子の対立は、
その後何度もあったようですが、早くにお姉ちゃんになったB子は、
弟が生まれて姉としての辛い日々をB子に一言話したことがきっかけで、
A子はB子との距離を一気に縮めたらしく「お姉ちゃんって大変なんだよね。」
と2人で顔を見合わせて私に同意を求めてくるまでになりました。
担任に聞くと、レベル的に同じなので、とても気が合う時はリーダーとしてクラスを引っぱっていく力があり、
遊びもとても面白くて、他児の中心となってバランス良く活動するようになったとのことでした。

2013年05月03日 14:29

『思い出さがし』 87・友だち作り③

友だち作りを急ぐと、本人は自分を見失うのではないかと思うことがあります。
かつて3才児の女の子が下の子が産まれるため、
母の里へ帰っていて、6月に入園して来た子がいました。
その子は4月5月とそのクラスの子ども達がそろそろクラスに慣れて、
お友だち意識も芽生えた頃だったので、クラスに入り辛いだろうかと思い、
私と手をつないで園内をゆっくり歩きながら3才児クラスに案内しました。
クラスの入口で担任の先生の名前を呼んだ時、
先生のまわりで遊んでいた女の子数人が、さっと私たちの方を振り返りました。
私は新入児を紹介しようと思って一歩近づいた時
転入の新園児が女の子の中の一人を指して
「わたし、この子キライ!」と叫んだのです。私がびっくりして目線を下げた時、
その指さされた女の子も叫んだのです。「私もその子キライ!」
「あっ、A子ちゃん、みんな待っていたのよ。おはよう。」
と担任の先生はA子ちゃんを抱き上げてくださいました。
私は指さされたB子ちゃんの肩を抱いて「おはよう。A子ちゃんのこと前から知っていたの?」
と聞くと、少し涙目になって「知らんかった。」「初めて会ったの?」「うん。」と言って
体重を私に預けてきます。きっとショックだったのでしょう。
いきなり「キライ!」と知らない子に言われたのですから。
その後2人はレベル的には同じ高さの子で、リーダー格だと担任は感心していました。
瞬時に自分と同じレベルの子を意識するなんて、きっとどの子もそんな能力を持っていて、
友だち作りにその力を利用しているのではと2人の関係を見つめることにしました。

2013年04月26日 14:32

『思い出さがし』 86・友だち作り②

親の目の届かないところで我が子は何をしているのか、とても心配になるのはわかります。特に自分が友だち作りに良い思い出のない場合は、どうしても関心が高くなり、自分と同じ道を歩いているのではないかと余計な心配をしてしまいます。私の母は外交的で友人をすぐ作って楽しいグループを作り、いつも中心になっている人でしたので、私の様に早生まれで頼りなくて、大きな声で返事もできない我が子がどんなに不甲斐ないと思ったことでしょう。下の弟は母に似て、どんな遊びなら学校登校が遅くなっても蛙をポケットに何匹も入れて平気で「おはようございます。」と教室に入って行く子だったので安心していた様でした。でも、私のことは自分の思う子に育っていない上に、友だち作りが全くうまくできないことを気にして「遊ぼう。」って声をかけない私にイライラしていた様です。「うちの子と遊んでね。」と頼んでいたこともありました。でもそれは全て私にとっては辛いことでした。野原へ出れば足元の小さな穴から出入りするアリさん達を見つめてお話づくりをするのが好きな子でしたので、友だち同士でふざけ合ったり腕を組んだり追っかけたりする姿には着いて行けませんでした。やがて図書室が私の居場所になり、脳性マヒで左手の不自由な子と話したことから静かな世界が動き始めました。草や木や虫や雲と話すことのできる同い年の子と話すことが楽しくて、時々からんでくるクラスメートと話すことができる様になりました。

2013年04月19日 14:36

『思い出さがし』 85・友だち作り①

新学期に入ると母親は先生との関係も気になりますが、友だちが作れるかどうかがとても心配です。毎日「今日は誰と遊んだの?」と聞く親に対して、初めは「○○ちゃんとブロックしたよ。」と答えてくれるのですが、毎日毎日同じ質問をされると男の子は「忘れた。」「名前わからん。」「10人と遊んだ。」「遊ぶ時間なかった。」等と答えます。「今日は一人で本読んどった。」「○○ちゃんのおままごと見とった。」「一人でブロックしとった。」等と、友だちと遊んでいない答えを聞くと、心配になって担任に電話をかけて来る方がおられます。「今日は積み木を高く積んで、倒れるのを楽しんでいましたよ。」と担任の声を聞くと「困った。うちの子はウソをついているんだ。二重人格かも知れない。」と真剣に悩む方がおられます。その真剣さが恐いのです。子どもは常に前を向いて明日を見つめて生きています。振り返ることがとても苦手です。毎日毎日「今日は誰と遊んだの?何をしたの?」と問いつめられると、振り返って記憶を整理しなくてはなりません。面倒な作業です。だから「忘れた。」「だれか憶えとらん。」と答えるのです。「お母さんも子どもが『お母さん今日お家で何しとった?』って毎日聞かれると閉口しませんか?」と言うと「ええ、そうですよねぇ。」と納得されるのですが、あまり問い詰められたあるお子さんは「ママ、そんなに心配なら毎日ママも幼稚園来たらいいよ。そしたらわかるから。」と言われて「参った。」と方向転換した方がおられます。

2013年04月12日 14:39

『思い出さがし』 84・さくらの花びら

さくらの花はあっという間に咲いて散っていくという印象が強いですが、日本列島は南北に長いので、桜前線が北上するのに何日もかかり、南の国から北の国までその美しさが楽しめるのは嬉しいですね。3月末北海道へ転勤して行った家族の方は、北の国から4月の終わりに美しい桜並木の写真と、1年生になったお子さんの少し照れて目を細めている姿を撮った写真を送って下さいました。お母さんの誕生日が4月29日だったせいか、桜の花びらが風に揺すぶられて激しく散っていく金沢の4月上旬をとても残念がって「アーア、ママのお誕生日に花びらのプレゼントをしたかったのに。」とぶつぶつ言いながら、ポケットいっぱいの花びらを4月11日に生まれた妹の頭の上に降らせていたということを聞きとても印象に残っていたので、北海道の桜の花びらはきっとママの頭上に吹雪の様に散って、ハッピーバースディを歌っていたのだろうと想像していました。幼児期、男の子の方がロマンチックで女の子はシビアです。一生を通してそうなんでしょうが、男の子が母親に向ける思いは相当なもので、どこのご家庭でも男の子はかわいいと母親の意見は一致します。男ばかりや女ばかりのお子さんを持っておられる方も男の子はかわいいです、とよく言われます。花吹雪をママにたっぷりかけてやりたいというのは、理想の花嫁を心に描いているからだという人がいるのですが、それも当たっているかもと思います。

2013年04月05日 14:42

『思い出さがし』 83・卒園児の思い出

私は今年で81回の卒園式を終えました。100名を超える年もあり、第1幼で3779名、第2幼で2411名の卒園児達が巣立って行きました。46年間に両園で6190名の子ども達の幼児期を見てきたことになります。病気や事故で亡くなった子も何人かいます。担任の先に他界する悲しさを今も思い出します。残された両親の胸の内を思うとかける言葉もありません。でも、その悲しみを超えて笑顔を消すことなく、時々声をかけて下さるご両親にお会いすると、その子の残した歳月が、ご両親の支えになっていることがわかります。「あの子はたくさんの先生に愛されて、のの様のところへ行きました。今ごろは幼稚園での楽しい思い出を何度も思い返しながら、私達を見守ってくれていると思います。あの子が卒園式で歌った『大きい木』を大声で歌いながら、木の精になってすぐ近くで私達を守ってくれているのだと信じています。青竜の思い出は私達家族の支えです。」すっかり白髪になられたお父さんとお母さんは、息子の持ち帰った自分だけのアルバムをとても大切に保存下さって、折にふれ見ておられる様でした。静かな日々の中で、幼児期の楽しい写真をめくりながら「『生きていたらもうすぐ50歳になるんだな。』と主人が息子の写真に頬ずりをするのですよ。」と老婦人となられて、ますます上品になられたお母さんの目に涙があふれていました。

2013年03月29日 08:40

『思い出さがし』 82・表現会を終えて

子ども達が大きく見える表現会後の毎日は、とても楽しい日々らしく、10年も前になるでしょうか担任も驚くほど心の成長があり、今まで犬猿の仲だった2人が同じ役をしたことでお互いを認め合い、頼り合って次の学年も一緒になりたいと園長に申し出た子がいました。確かに廊下でにらみ合っている姿を何度も見たことがあり心配していたのですが、2人はとてもいい表情で「ねえ園長先生が何組さんか決めるの?」と聞くので「そうだね。たくさんの先生が考えたあと、園長先生が最後に決めるんだよ。」と答えると「じゃあね、ぼくとこの子を同じ組にして下さい。だめですか?」「ず~っと仲良くなかったし、同じ組でないほうがいいかもって先生達は考えていると思うけどな。」「まだ決まっていないの。ねえ、まだでしょ?よかったな。」と2人で手を組んで足をトントン踏みならしています。「どうしようかな。表現会の時、とっても力を合わせていたから、もう大丈夫かな。でもまたケンカするかもわからんしどうしようかな。」と腕を組んで考え込むマネをすると、どっきりした様ですが、少し考えて「ぼくらのことばっかり言ってると、みんなも言いたくなるもんね。な。」と友だちの肩を叩いています。「さすが年長さんになるだけあってすごいな。一緒になりたい子はあなた達だけではないよね。それがわかるのはすばらしい!先生、嬉しくなった!先生方も色々考えて下さるから、もし同じ組になったらラッキーと思って仲良しの大きい組さんで頑張ってね。」と話すと「わかった。」と深くうなづく2人でした。

2013年03月25日 13:06

学校法人和田学園 認定こども園 青竜幼稚園


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【電話番号】076-298-5050
(電話受付:祝日を除く月曜~金曜9:00~16:00)

【開園時間】7:30~18:30

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