『思い出さがし』 ⑩ 女の子の言葉づかい①
「 教科書に『死ね 死ね きもい きもい』と書かれたのに気付いてやられず可哀想なことをしました。何とか事情を聞こうとするのですが、泣いたり怒ったりで話し合いになりません。何とか本当のことを聞き出したいのですが。」という電話が何本も入ったことがあります。書いているのは同一人物なのかどうか分かりません。そこで小学生の群れの中でそれとなく話を聞くことにしました。土日に園庭で遊ぶ子が多かったことも幸いしました。書くのは女の子で、クラスの大半がやられているらしいことが分かりました。その子には4年生の姉がいて、いつもイヤなことがあると「死ね」とか「きもい」といっているそうです。「それ口癖やと思うよ。だってその子のお母さんもよく言うもんね。」「うん、この間遊びに行った時も『はよせんかいね。きもい子やね』と何回も言っとったね。」「うん、それに反発したら、大声で『言うこと聞かん子やね、死ね』って言うとったよ、びっくりした。」「そやし気にせんとおけばいいがや。まねしてもいかんけど。」「『又、言うとる。ダメやよ』て言うてやる子おるし大丈夫や。」小学低学年の子にしては逞しい発言を聞きながら、色んな価値観の家庭から集まって来る子ども達が、その中で生きる術を磨きながら生活していることを知り、相談者に話し、ゆっくり話しましょうと約束しました。