『思い出さがし』 ⑥お友だちがいない
集団の中でひとりぼっちでいるのではないか、さびしい思いで辛いのではないかと思う親がいるのは当たり前です。
友だちがいなくて淋しい思いをした親は、特に友だちのことに関心が強くなります。
「家へ帰って来ても友だちの名前が出て来ません。幼稚園ではちゃんと友だちと遊んでいますか?」と心配するお母さんの多い中でこんな方もおられました。
「こんな小さな時から、友だちを作りなさい。ひとりぼっちはかわいそう。と言うのは親のエゴです。子どもは小さい時に色んなことをじっくり見つめて、
自分の中にため込んでいく子になってほしい。その場しのぎの友だちでしかない子を、友だちだとして満足する親にはなりたくありません。」
控え目ですが、きっぱり言い切ったお母さんに対して、4人の子持ちのお母さんが穏やかに切り出しました。「うちの子たちは家に帰ると兄弟が多いので、
関わる力も自然に育っていると思いますが、1人や2人のお子さんを持った方はやはり心配だと思います。遊び友だちの中から親友は生まれるのでしょうし、
幼稚園で遊べているかどうかは親の大きな関心事ですね。でも、確かにお友だちのことでプレッシャーのかかる子には辛いと思います。」
この2人の話から、じっくり子どもの成長を見つめていこうというトーク会を懐かしく思い出します。