『思い出さがし』 ⑤まん中っ子はむずかしい
3人の子持ちのお母さんが集まると必ず「まん中の子は育てにくい」という話しになります。「同じことを言ってもまん中は素直じゃないのよ。」と顔をしかめます。
「そうなの。可愛くないのよね。」と困った声のお母さんが頷きます。私も少々同意しながらお母さんの輪の中にいます。「でもね。甘えん坊な面もない?」
と年の差が3才、6才、9才と均等にあるお母さんが言います。女ばかり3人のまん中っ子のC子ちゃんは、甘えん坊で独占力が強い子らしく、
上と下の子がいない時は、お母さんを独り占めです。「かわいいんだけど、まとわりつかれると上と下の子のあっさりしたのが嬉しいのよ。」
「いっしょよ。下の子は甘え上手でしつこくないのよ。上の子は何となく遠慮がちで愛しくなるでしょう。やっぱりまん中っ子がうっとうしいのよ。」
年令が近い程扱いにくい様で、離れているとそんなに困ってはいないことがわかりました。
「大きくなると、まん中っ子は役に立つ子が多いですよ。」と私が口を開くと、みなさんが「えっ。」と顔を合わせます。
「とても気づかい上手で、よく動くし、ほめられると喜びを全身で表現してくれる子が多いようです。企業の人事担当の方もそれを認めておられました。働く先生達にも同じ傾向があると思いますよ。」
「そうなんや。時々抱きしめてやらんといかんね。」と深く頷いていたのを思い出します。