学校法人 和田学園  認定こども園 青竜幼稚園

感謝・感動・そして育ち合いを大切に…。人の温かさにほっとする幼稚園。

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前園長日記/和田節子ライブラリー

『思い出さがし』 131・夏休み②

夏休みが多くとれる企業にお勤めの方は里帰りも長くなり、家族旅行を楽しむことができるようです。でも、自営の方や会社の規模によって、長い休みが取れない方が多いようです。そんな小さな会社で責任のある仕事を任されたお父さんのことを思い出します。わずか2日間の休みが取れたお父さんは、家族旅行を計画しました。少し遅れた墓参りとキャンプをつなぐ旅行になったようです。4才の男の子と1年生の女の子の兄弟は踊り上がって大喜び。ママもほっとされたと言います。そして迎えた当日、自家用車で先ず朝早くにおばあちゃんとお墓参りをし、懐かしいおふくろの味の朝食をとり、大おばあちゃんの手作りのお財布を4人共頂き、楽しいおしゃべりをして過ごしたのでした。いよいよキャンプに出かけることになり、前もって約束をしていたお友達と夕方キャンプ場に着いて子ども達は大喜び。父親同士も仲良く握手をしてテントを張り、カレーライスを作って食べたと言うことでした。本当に楽しくて4人の両家の子ども達は花火をして時間いっぱい楽しんだようです。波の音と星の美しさを眺めながら、のんびりと眠る夜は、忙しい父親にとっては安らぎと幸せを感じる時間になったようです。いつもより遅い時間まで起きていた子ども達。その間大人の話は、会社のこと、ママ友のことなどとりとめもない話に花が咲き、2つの家族は親達も子ども達も思い出に残る一夜を体験したのでした。すてきな旅の帰り、ある事件が起こりました。
2014年08月08日 23:50

『思い出さがし』 130・夏休み①

夏休みが始まると待っている子は色んなイメージをふくらませて話しかけてきます。それは今も昔も変わりません。特に初めての夏休みを迎えた子ども達は「なんで幼稚園がお休みなの?」と毎日聞いてくるので説明するのに困ったお母さんがおられます。「夏は暑いでしょ。だから体を休めてお母さんと色んなお話をゆっくりしたり、絵を描いたり、大好きなオセロをしたりして心も休んでいると元気もりもりになるのよ。それにパパも夏休みをとって海でキャンプしたり、お山に登ったりして、家族で楽しんで頑張る力をつけるんだよ。」こんなことを言ったお母さんがおられて感心しました。「3才の子どもが理解できることはオセロとキャンプだけだったのよ。」と大笑いされていましたが「その夏休みはとても有意義で、パパがとっても喜んで、何度も何度も高い高いをしていまさした。無口で無愛想で人見知りの強い人なのに、あの子が父親を変えました。」と付け加えられたので、お父さん教育の上手なお母さんに拍手を送りました。お父さんに高い高いをしてもらった子はお父さんが大好きで、高いところから見た世界を目をキラキラさせて話してくれました。「あのね、パパが高い高いすると、公園のお花が下の方に見えるんだ。そしてね、遠くのお店屋さんのお兄ちゃんが見えたよ。肩車してもらったらね、桜の葉っぱがぼくのほっぺに当たって緑色がとってもきれいだったよ。」子どもの感性は大人のそれを超えています。
2014年08月02日 23:38

『思い出さがし』 129・絵本④

下の子達にじっくり本を読んであげていた子が卒園して行くと、4月と5月は私が読み手になって新しい読み手をさがすことになりました。沢山集まって来るので、「見えん」「せまい」「あつい」と言い出すので、「ひとりで読める人いませんか?」と聞くと、「ハーイ」とみんな手をあげます。「じゃ順番に読んでもらおうかな」と私と2人で読んでみることにしました。たどたどしい子を助けながら読むのは時間もかかり内容もわかりにくいのですが、何度も読んでもらっている子は、内容や表現を覚えていて、すらすら進んで行きます。でも同じ様に読み慣れている子は、「そこ違うよ」と注意したり、「違うけど面白いね」とささやき合っています。年少の子たちは、たどたどしい読み方より内容がわかっていて独特の言い回しや表現方法を楽しみ、こうして人気のある子が自然に去年の代役ができる様になります。6月頃になると文字を正確に読み、ゆっくりページをめくる子が読み手として定着して来ました。私は安心してそのこに任せて仕事ができる様になり、とても楽になりました。子ども達も時々入れ代わりながら静かに聞いています。時々入って来るお客様が感心して聞いて行かれることもあり、「読んで、おじちゃん」と言われて戸惑う方もおられましたが、絵本は沢山の人をつないで行く素敵な役割を持っています。あの頃読み手だった子は大学院生となり、外国へ行ったり、要職についていると聞き、そうだろうなと思い出をたぐり寄せています。
2014年07月26日 23:39

『思い出さがし』 128・絵本③

ごはんを食べながら絵本を見ることは、そうあることではないと思いますが、幼児は絵本の世界へ入ったり出たりする能力というか感性があるのでしょう。『しろくまちゃんのほっとけーき』は子ども達に匂いや味までも感じさせてくれます。絵本を舐めたり「クンクンいいにおい。」と言ったりします。でも4才になると、さすがにそこまでやる子はいません。字が読めるようになると絵を見るより文字を懸命に読むのですが読み終わると、どんなお話なのか憶えていない子が多いものです。じっくり絵を見る子はイメージがしっかり根づいているので、文字を理解する頃には字も絵もしっかりつながって意識づけられています。旧の園舎園長の隣りや階段の横に本棚があった頃、毎日の様に絵本を開いている女の子がいました。好きな絵本は『かもとりごんべい』『ぐりとぐら』『だるまちゃん』『ちちちのはなし』など、「かがくのとも」のシリーズものだと言うことでした。いつも静かに読んでいるので友だちがいないのかなと思っていると10時近くになると2、3年のお友達が「おにごっこ」や「なわとび」「けんぱ」「ジャンケン列車」「おままごと」などに誘われて嬉しそうに遊んでいました。大好きなスポーツ好きな友人がバスで着くのを待っていたのかも知れません。その内、小さい組の女の子が「ねえ、これ読んで。」と持って来る「だるまちゃん」や「たろうのおつかい」シリーズを読んでもらっていました。一ページごとに間をとって小さい子の声を聞いています。異年令での本読みはとても嬉しい楽しい風景でした。
2014年07月20日 22:25

『思い出さがし』 127・絵本②

レストランで絵本の上に食べ物をこぼし始めた男の子を叱るママと後片付けをするパパ。友人の娘さん夫婦と一緒にすぐ隣のテーブルで見ていたのでどうなることかと見ていると、絵本の中が見えました。「しろくまちゃんのホットケーキ」でした。きっとレストランで注文したものが来るまで、楽しく読み聞かせをしようと思ったパパとママだったのでしょうが、両親の思うようにはいきません。ママは「大好きなくまちゃんが泣いてるよ。」と少し恐い顔で話しかけてますが「くまちゃんに食べさせるんだ。」と言い、絵本にスプーンを立てながら「はい、どうぞ。」と言っています。パパは「くまちゃん、もうおなかいっぱい。」と言ってなだめていますが「ちょうだいって言ってるよ。」と負けません。「じゃ、パパが食べるね。」と絵本の上のこぼしたお子さまランチをきれいに別の皿によけていました。ママはだんだん混んで来るお店の中でイライラしたのでしょう。「もうおしまい!」と強く言って絵本とお子さまランチを取り上げてしまいました。「イヤだー!ぼくの本だーぼくのくまちゃんだ!」と大泣きです。お子さまランチに乗っていたアメリカの旗を振って涙をポロポロ。2才児らしい泣き方でかわいいのです。助け船を出そうと思った時、係の方がおもちゃを持って来て下さったところ、ピタッと泣き止んで小さな消防車をじっと見つめています。「帰りにお渡しするつもりでしたが、今持って来ました。」男の店員さんは優しくそう言って「いい絵本だね。うちの子も大好きです。」と言って男の子の頭を撫でて行かれました。絵本の好きな店員さんのことを思い出します。
2014年07月11日 23:09

『思い出さがし』 126・絵本①

今の子ども達はあふれるような絵本の中にいます。子どもの出入りの多いレストランでも絵本が置いてあります。どこの本屋さんにでもある昔ばなしの本やイソップ童話などの何冊かが置いてあり、一応子ども達も目を通すのですが、誰が触ったか分からない本は見せないと言って、家から持って来る方もおられますが、子どもは目新しいものが好きなので、お店の絵本をせがんで泣きます。泣かせまいとして持って来た絵本を抱っこして読むことになりますが、見慣れた絵本に興味はありません。大泣きする子を父親が外に連れ出しています。2才半位の子でしょうか。表通りを走る自動車にだまされて泣き止み、5分程して戻って来ます。その時子どもの目に入ったのが○○レンジャーといった絵本でした。難しい文を読むより絵だけを楽しんで「トウ」「シャー」「ドウー」などと叫んでいればすむ本なのでパパの仕事となりました。時間待ちのベンチでパパと「シャー」「バシュー」等と言いながら楽しんでいるところへママが呼びに来ました。「注文したものが全部来たよ。もういらんの?」「たべる!」2才半位の男の子は絵本をベンチに放り投げて元の場所に走ります。パパはその絵本をポケットから出したティッシュで丁寧に拭いて絵本を置場所に返していました。子どもと一緒に返してくれば良いのにと思いましたが、パパの絵本を拭いて返す様子に感心していたので余計なことだと思いました。テーブルに着いた男の子は、持って来た絵本の上にお子さまランチの卵をいっぱいこぼして、パパに拭いてもらっていたのです。     
2014年07月04日 23:51

『思い出さがし』 125・習い事④

習い事で1週間が埋まっている子を担任したことがあります。月曜はオルガン、火曜はスイミング、水曜は柔道、木曜はテニス、金曜はバイオリン、土曜はなしだが母の仕事場の老人施設でお手伝い、日曜だけは自由日でした。お母さんがお仕事をしておられる関係で、自分で探してきた習い事ばかりだと言うことでした。お稽古事に子守りをさせているという声があがっていたので、それとなく日常の生活について聞いたことがあります。一番好きなのはバイオリンで、先生が大好きだと言います。4年生になってから始めたので下手だけどとっても優しい先生で、音楽家のこともよく話して下さるそうです。次は老人施設でのお年寄りの方と歌を歌うことだと言って、ゆりかごのうたを歌ってくれました。少年の声は澄んでいました。一番苦手なのは柔道で、友だちに乱暴な子がいるとのことでした。「どの習い事にも友だちがいてとても楽しい。僕は体格も普通だし力もないけど、体が弱くて遠くの病院に入院しているお父さんに代わってお母さんを守りたいので柔道も習っているんだ。お母さんも、あんまり無理しないでやめたかったらやめなさいと言うんだけど、やってるうちにきっと楽しくなると思って頑張っているんだ。」とも言っていました。習い事一つでも人の生き方と大きな関係があり、思い込みで判断してはいけないことを知りました。
2014年06月27日 23:23

『思い出さがし』 124・習い事③

いろんな習い事に関心を持ち、やってみる子がいます。そして何をやっても2、3回でやめてしまう子もいます。でも1つのことを何年もやり続ける子と、何をやっても三日坊主になってしまい人間性まで否定される子がいます。中には子どもが自分から行きたいと言い出しておきながらすぐイヤになる子は親としては認めたくないのでしょう。無責任な悪い子、信用できない子として叱りつけて通っている子がいます。親の中には色んなことをさせてみて、その中から選んでそれを続けさせる人が多いようですが、どこかで一度つまづくとイヤになり体調を崩す子さえいます。子どもは、ひとりひとり違いますから、これといったマニュアルがあるわけではありません。親の価値観が問われるところでしょうね。指導者との関係もあるようですし、友だちとの関係もあることでしょう。30年も昔になりますが、我が家に遊びに来る息子の友人達は全員腕時計を持っていました。塾や習い事の時間を気にしてのことでした。5時頃になると時計を見て「じゃーなー。」と帰り出す子がどんどん増えて、夏休み30人位の友人達が潮を引くようにいなくなるのです。習い事をしていない子や、夜遅い学習塾の子達2、3人でボールを蹴ったり投げ合ったり話し合ったりする光景をよく見ました。スポーツクラブに入るようになると習い事が続かなくなり、中学生になると習い事の継続は少なくなるようです。
2014年06月20日 23:21

『思い出さがし』 123・習い事②

我慢の日と言って笑顔で踊りの練習をしていた志保ちゃんが、1年生を迎える会で見せた花笠踊りは見事なものでした。十数名の子ども達の中で、その手つきや身振りの美しさは群を抜いていました。間の取り方や次の動作に移る時の流れる様なしなやかさは、先生の目を奪い「すごい子だね。」と言われて、我が子のことを言われているようで嬉しかったのを覚えています。お母さんにそのことをお伝えすると「本当ですか?お稽古の嫌いな子なので、他のことをさせようかと悩んでいたのですが、そんなに目立ちましたか?あの子も頑張ったのですね。最初怒ってばかりいて、運転して下さるおじいちゃんに、無理をさせるなら止めさせなさい。と注意されたこともあるんです。でもあの子は体も小さいしスポーツは苦手のようなので、ある時日舞の発表会に連れて行ったのです。その日帰って来て鏡の前で夏の浴衣を着て嬉しそうに踊っている志保を見て、これだ!と思ったのです。皆さんスイミングやピアノやそろばんや絵を習っておられるので、本人も何かしたいと思っているのでしょう。日本舞踊の会にはとても乗り気になって、遠い所までおじいちゃんにお願いしたのです。ありがとうございます。嬉しい日になりました。あの子との約束を守ります。先生やお友だちから誉められたらおじいちゃんの車で一人でお稽古に通う約束をしたのです。」と涙を拭かれました。志保ちゃんの強さと優しさが伝わって来ます。きっとお母さんに似たのでしょうね。
2014年06月13日 22:58

『思い出さがし』 122・習い事①

昔、日本舞踊を習い出した女の子がいました。6歳の6月6日から習い始めたとのことです。本当にかわいくて、日本人形の様な子でした。クラスでは背順で一番先頭でしたが、利口な子だったのでクラスはよくまとまりました。遠足、散歩、運動会と一年生としては出来すぎるくらいの存在感のある子でした。ただ1つ気になったのは、習い事の日になると朝から元気がなかったことです。ある日思い切って「踊りは嫌なの?」と聞いてみました。すると強く頭を振って「ううん!行くまでがイヤなの。」との返事です。「どうして大好きなお母さんとおじいちゃんの車で行くんでしょう?」と聞くと「それがイヤなんだ。だってお母さんがね、車の中で前の日のおさらいだよって言って手や頭の動かし方を何度も練習させるの。それがイヤ!」「そのことをお母さんに話したの?」「・・・だってお母さんに悪いから言えんもん。」「そう、えらいね。我慢してるんだね。でも踊りが大好きならお母さんに車の中ではもっと楽しいおしゃべりがしたいと言えばいいと思うけどな。」「そうなんだけど、お母さんも一生懸命だと思うし言えんがや。」7才になるとここまで考える子がいるだと思うといじらしくて「先生あなたのことをもっと好きになったな。お母さんも今はあなたを守っているけれど、きっと信じてあなたの好きな様にして下さるよ。きっと!!」その後彼女は習い事の日を我慢の日と言うようになり明るくなりました。
2014年06月06日 23:09

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