『思い出さがし』 125・習い事④
習い事で1週間が埋まっている子を担任したことがあります。月曜はオルガン、火曜はスイミング、水曜は柔道、木曜はテニス、金曜はバイオリン、土曜はなしだが母の仕事場の老人施設でお手伝い、日曜だけは自由日でした。お母さんがお仕事をしておられる関係で、自分で探してきた習い事ばかりだと言うことでした。お稽古事に子守りをさせているという声があがっていたので、それとなく日常の生活について聞いたことがあります。一番好きなのはバイオリンで、先生が大好きだと言います。4年生になってから始めたので下手だけどとっても優しい先生で、音楽家のこともよく話して下さるそうです。次は老人施設でのお年寄りの方と歌を歌うことだと言って、ゆりかごのうたを歌ってくれました。少年の声は澄んでいました。一番苦手なのは柔道で、友だちに乱暴な子がいるとのことでした。「どの習い事にも友だちがいてとても楽しい。僕は体格も普通だし力もないけど、体が弱くて遠くの病院に入院しているお父さんに代わってお母さんを守りたいので柔道も習っているんだ。お母さんも、あんまり無理しないでやめたかったらやめなさいと言うんだけど、やってるうちにきっと楽しくなると思って頑張っているんだ。」とも言っていました。習い事一つでも人の生き方と大きな関係があり、思い込みで判断してはいけないことを知りました。
2014年06月27日 23:23