『思い出さがし』 111・お正月いろいろ⑤
最近保育業者さんの中に「近ごろカルタが売れなくなりました。」という声があります。そういえば核家族化が進み子どもの数が減少すると、一人っ子や二人っ子ではカルタ取りができません。最低3人いないと成立しない遊びです。両親か父や母が相手をしないと意味がありません。大家族かせめて祖父母と同居していれば楽しい遊びですが、昔のお正月遊びが忘れられ、ゲームで一人遊びをする子が増え、その楽しさにのめり込むためコミュニケーション力が弱くなっていくのがわかります。せめてお正月の休みだけでも一人遊びではない集団の遊びの楽しさを体験させてあげたいと、園ではカルタをプレゼントし続けています。5才の女の子が三学期が始まって2、3日した時「先生、お正月にね、おじいちゃんとおばあちゃんのお家に行ったの。その時ね、カルタを持って行ってみんなで遊んだの。おじいちゃんがね、何回も読んでくれてね、私、21枚も取れたんや。すごいでしょう。」と両手を2回も広げて最後に人差し指を1本突き出して来ました。私はその指をそっと掴んで「ヤッタネ!」と言うと「春休みにも行くの。」と言って階段を駆け上がって行きました。彼女の指のぬくもりを思い出しながら、ご両親のご配慮とおじいちゃんの粘り強い愛情のある対応に感謝しました。あえてチャンスを作らない限り、子ども達の明日はないのだと実感したお正月でした。