学校法人 和田学園  認定こども園 青竜幼稚園

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前園長日記/和田節子ライブラリー

『思い出さがし』 101・がまん強い子をみつめる①

体調不良をじっと我慢する子と、大げさに訴える子の様子をよく見つめようと話し合いを持ったことがあります。親も先生も医師も大げさに振る舞う子に注意がいきます。産婦人科の先生が「出産時、大声を上げる妊婦さんに若い頃振り回されたことがあります。」と切り出され、興味深く耳を傾けました。助産師さんが、まだまだ明朝まで生まれませんからと言い聞かせても、何度も大声を上げるのでドキドキしていましたが、私の説得力が足りなかったのか、いざという時に力が出なくなった妊婦さん。実家のお母さんが「この子はいつも大げさな子なので、ご迷惑ばかりですみません。」と何度も元気付けている助産師さんに謝っていたとのこと。「大人になっても変わらないのですね。」とため息をつく医師のご苦労話に皆さん頷きました。じっと我慢する子が突然嘔吐したり、高熱を出したり、うずくまったり、泣き出したりする時は十分気を付けたいという先生とお母さんが多かったのですが、その様子をしっかり見ていないと見落とすことが必ずあると、皆さんが自戒を込めて話していました。動きの大きい子、声の大きい子ばかりしか見ていない先生や親は、静かな子の小さなサインを見落とすことになると真剣な話が続きました。

2013年11月22日 14:58

『思い出さがし』 100・盲腸の子を思う

盲腸炎の痛みは、急激な痛みを伴うものと、鈍痛がいつまでも続くものがあると聞き、激しい痛みはすぐに発見できるが、鈍い痛みは放っておくと腹膜炎をおこして助からない時もあると言われ、我慢した娘に詫びました。数年後、自分の担任したことのある3年生の男の子が腹膜炎で亡くなったことを知りお墓参りに行きました。大雨の降る中、墓石に降る雨は音をたてて水しぶきを上げ、男の子の悲しみの涙の様に思えました。毎日墓参りを欠かさないご両親と再会した時、病院で、単なる腹痛として胃腸薬を飲まされ、3日後痙攣を起こして、やっと事の重大さに気づいたベテランの医師によって開腹手術が行われましたが、その頃の医療の限界だったのでしょうか、手の施しようがなかったと号泣されました。雨はどこまでも強さを増し、墓地の中は足首まで水が上がって来ました。最後に立ち会って下さったベテランの医師が涙を流して詫びて下さり、償いを申し出された時「この子の運命だったのです。」と言うのがやっとだったと泣かれ「あの子のことをもっと関心を持って見守る親の力不足も
原因の一つでした。」と雨で濡れた墓石を抱きしめておられたのを忘れません。私も同じ様な親でした。辛抱強くて優しい子だった彼をよく知っていただけに、激しい雨の中で泣くことしかできませんでした。

2013年11月15日 09:30

『思い出さがし』 99・子どもの手術

手術で思い出すのは、5人の我が子のことです。どの家庭でも、お子さんがケガをしたり、病気で手術が必要な時があったりしたことでしょう。5人もいると、大なり小なり手術に立ち会うことがありました。
長女が6才の時「おなかが痛い。」と元気がなくなりゴロゴロしているのを見て(いつもの便秘だろう。)と思い「トイレへ行っておいで。」と言うと素直に腰を曲げながらトイレへ行き、青い顔をして戻って来ました。「出んかった。」「まだ痛い?」「うん、少し痛い。」「じゃあ冷えたのかな。ベッドに入って温かくしてみよう。」と二段ベッドの上の段に寝かせました。
下に妹が2人いて忙しい夕食後だったので、長女のことに時間がかけられず、1才の子を寝かしつけていると「やっぱり痛い痛い。」と長女の声がします。大したことはないだろうと思ったのですが、さすがに心配になり抱っこするとウトウトし始めたので「やっぱり忙しくて構ってやれなくて寂しかったんだな。」と愛おしい思いでそっと寝かしつけました。
朝方早く「痛い痛い。」という声で目覚め「もう少し我慢してね。すぐお医者さんに行くからね。」と励まして、年休を取って近くの医院で診断の結果盲腸炎でした。辛い時間よく我慢したんだなぁ、と母親としての力不足を痛感した日を思い出します。

2013年11月08日 11:27

『思い出さがし』 98・再開

お久しぶりです。6月11日に膝関節の手術をして約5か月。復活してきました。まだまだ自分の骨になっていません。不思議な違和感が常につきまとっています。子ども達が手術のヒザを見せてと言って来ます。「どうぞ。」と痕を見せると「ワァー痛そう。」と引いていく子、「大丈夫?」と傷口をそっと触りに来る子、「もう歩けるの?」と心配そうに声をかけてくる子。みんな真剣な表情で手術痕を見つめています。その表情の豊かさに驚かされます。幼稚園に帰って来て2か月が過ぎましたが、何度も生足を見せています。「園長先生のお膝は、おばあちゃんからおかあさんの足になったよ。」と話すと、あるお母さんから「先生のお膝はおねえさんになったのですね。」と話しかけられ、とても嬉しくなりました。お姉ちゃんと言われなくなって50年。懐かしい響きのことばに力をもらい「よ~し頑張るぞ!」と自分を励ましています。11月より、思い出さがしを再開することにしました。

2013年11月01日 14:42

『思い出さがし』 97・夏の小動物③

子どもが虫や小動物に興味を持ち出すと家の中は大変です。食卓の上にダンゴ虫がいたり、深めの皿におたまじゃくしがいたり、虫かごの中にてんとう虫やバッタやかまきりに交じって毛虫がいたりします。時にはゴキブリに名前をつけて虫かごに入れている子を見たことがあります。そんな子のお母さんは苦手だけど子どもの真剣さを大切にして、顔をしかめながら付き合っているのがわかります。我が家の末っ子は、虫嫌いな父親を刺激しないように小動物と付き合っていました。ゴキブリを見つけると、すぐに叩きつぶす親を知っているので、部屋の隅にゴキブリを見つけると「ホラ、殺されるぞ。逃げろ逃げろ。」と声をかけて、見えなくなるまで逃がしていました。蛙やみみずを嫌う父親のことを考えて、父親の目の届かない所で成長を見守っているようでした。これが父親だからスルーすることも多かったことでしょうが、母親だとしたら子どもは隠すところがなくて、きっとどこかで秘密の基地を作ることでしょう。現代はきれいな住居で衛生的な生活をすることが強く望まれているので、子ども達の冒険心は満たされていません。小動物と上手に付き合うためには、水たまりや雑草のある風景が必要なのですね。どこへ行っても整美された遊び場では、子ども達の科学的好奇心は揺すぶられないまま機械文明の中へ放り込まれることになるのでしょう。幼児期の小動物との触れ合いは、自然と共に生きなければならない人間をどんどん自然から遠ざけているように思えます。暑い夏休みを前に申し訳ありませんが、思い出さがしに時間をかけ、沢山の思い出を紡ぎ出し、ため込んで発信したいと考えました。そこで少し長い夏休みを頂くことにしました。秋になったら又お会いしましょう。ありがとうございました。
2013.7.5  青竜幼稚園・青竜第二幼稚園 園長 和田節子

2013年07月05日 23:58

『思い出さがし』 96・夏の小動物②

どっちが頭かしっぽかわからないみみずが3匹からみあっている様子に、目を輝かせている息子を見ていると自然の持つ力に驚ろかされます。「このみみずどうするの?」と聞くと「土にうめてどこで寝とるんか見てみたい。だから長細いガラスの観察箱買ってほしいな。」遠慮がちにねだってきました。アリの巣作りを観察したことのある姉に話すと、幼稚園の倉庫かもしれないと言うので、探してみましたが見当たりません。その日はおたまじゃくしとみみずをベットの横に置いて息子は満足そうな寝息をたてていました。きっと蛙の夢でも見ているのでしょう。次の日は幼稚園の図鑑を見てみみずのことを知りたいと思ったのでしょう。前年自分のクラスだったたけ組へ行って図鑑を調べたようです。中の見えるビンの中に土を入れてみみずを観察するらしいと分かりました。後は本人に任せてみようと思い、おたまじゃくしを水槽に入れて石を置き、時々鰹節をやったり、金魚のエサを入れたりしました。35年も昔のことで、記憶が曖昧ですが、男の子が小動物に好奇心を抱き、図鑑を開いて知識をぐんぐん広めていくことを知りました。父親は全く虫に関心がなく、小動物が嫌いなのは、早くに父を亡くし、虫を嫌う母のもとでみみずや蛙に関係ない世界で幼少期を過ごしたからだと理解することにしました。「男らしくないな」と思うのは本人のせいではないので、男の子と付き合うのは母親の仕事なのだと考え、小動物をイヤがる夫をなだめながら、虫好きの子どもと付き合うことで沢山の学びもありました。

2013年06月28日 16:33

『思い出さがし』 95・夏の小動物①

夜になり、周りの田んぼから蛙の声が聞こえ出すと、子ども達の仲間に変化が現れ始めます。虫の好きな男の子は水面を走るアメンボウを見ると、足が止まって家路へ着くのが遅くなります。我が家の末っ子は生き物が大好きで、蛙を捕まえて来た日の背中にはランドセルがありませんでした。ズックの片方にはおたまじゃくしがいっぱいです。泥と葉っぱのくっついた裸足の片方が妙に白いのは、春なんだなぁと何となく納得しました。北陸の長い冬は、子どもの足の白さが証明してくれる様な気がします。小動物達も春を迎え、素敵な相手を見つけて二世を作り出して来たのでしょう。すばしっこく動くおたまじゃくしを追いかけて、ランドセルを放り投げ、ズックの中に手に入れたおたまじゃくしを大切に持ち帰って来た息子を見て、楽しかったんだろうなと思わず笑ってしまいました。叱られなかったのでホッとしたのでしょう。テレ笑いをしながら背中の軽さに気付き「あっランドセル!」と言い、私の机の上にズックをおいてゴム草履を履いて走って行く息子に「車に気をつけてね!」と声をかけました。机の上のおたまじゃくしは8匹いました。少し弱っているのもいたので、大きなボールに井戸水を汲み上げて放してやりました。ズックの中の水も入れたので、草の葉も混ざっていて小さな池の様になりました。やがて汗びっしょりになって帰って来た息子の手には、みみずが3匹握られていました。

2013年06月21日 10:02

『思い出さがし』 94・遠足の思い出⑤

楽しくて時間を忘れて遊んでいた川が荒れ狂うのを見て、みんなは寄り添って不安の涙を流しました。
リーダーのりょう君は、そんな皆を川から遠ざけながら安全な場所を探していました。
遠くでカミナリの音がしました。雨も降ってきました。「つとむ、ありがとう。どうしてわかったん?」とりょうが聞くと、弟のつとむ君は泣きじゃくりながら「雲の流れと山の方を見てわかった。」と言ってくれました。お天気博士の天候診断は確かでした。自分の頭の上の雲さえ見ずに川の流れを楽しんでいたやんちゃ坊主達は、つとむ君に感謝しながらも、うらめしそうに山の方を見つめていました。
リーダーは「みんな、あの小屋まで頑張るぞ。濡れた体をしっかり拭いて、新しい上衣に着替えろ!」と号令をかけました。私の弟は小さいくせに根性のある子だったので「オーッ!」とかけ声をかけて先頭に立って山小屋を目指しました。いのししのように駆け登っていく弟を見て、みんなの中に笑いが起こりました。
やがてカミナリは山小屋の上をゴロゴロ音を立てて通り過ぎて行きました。本当につとむ君は命の恩人となったのです。山の気候の変化を鋭く見極めてくれたつとむ君は、皆の英雄となり「泣き虫泣き虫」とバカにされていた頃の彼はひと回り大きくなり、益々勉強家になりました。そして山や川で遊ぶ時のリーダーはつとむ君となったのです。

2013年06月14日 15:07

『思い出さがし』93・遠足の思い出④

サイレンが鳴ると水かさが増すことを知っていたのですぐあがりますが、子ども達だけで行くと大変なことになります。昔、子ども達はガキ大将を中心にして集団でよく川遊びをしたものです。私もおてんばな女の子だったので、男の子の中にいつも一人だけ女の子がいるのが当たり前の集団で、野山を駆け回っていました。リーダーは6年生のスポーツマンの子で名前はりょう君でした。その弟のつとむ君は泣き虫でしたが、色んなことを知っているので博士と呼ばれていました。特に天気予報士の様に天気を当てる能力がありました。大体10人前後の集団で、一番年令の低いのが私の弟で2年生でした。兵庫県の山奥では、川遊びか山遊びしかありません。広い野原といったら学校の運動場しかありませんので、谷川につながる山合いのくねくねした川は子どもの冒険心を刺激します。狭くなったり広くなったりする川は、流れの速さも違って面白くて時間を忘れます。4年生のつとむ君は流れが苦手で、川の淵の草むらを走って遊びに参加していました。時間を忘れて遊びほうけている私達に突然大声で「あがれ!あがれ!」と叫んだのです。誰も聞いてくれないので、根っこのついた草を掴んで投げながら「あがれ!おぼれるぞ!」と泣きながら叫んだのです。リーダーのりょう君が「オーイ!あがるぞ。ついて来い!」と言って皆があがった数分後、ぐ~んと水かさが増えた川は竜の様に暴れ始めました。山の方から黒い雲が走って来ました。

2013年06月07日 10:49

『思い出さがし』 92・遠足の思い出③

地面を歩くのも大切だが、一度河原を歩いてみようと手取川の河原を歩いたことがあります。
もちろん、年長組の活動です。7月頃でしたか、まだ水かさも多くなくて、
晴天の続いた日の中日を選んで行きました。大小の石ころが行く手に広がり、
冒険心のある子にとってはワクワクなのですが、小心な子は震えている子もいました。
足元はゴム草履のある子はそれを履き、持っていない子は裸足でした。
所々できれいで形の良い石を見つけて「ワーイ洗っておじいちゃんのお土産にしよう。」という子、
ちょろちょろと流れのある石で囲まれた小さなくぼみの中に、小さな魚を見つけて歓声を上げる子、
石の上をピョンピョン飛びながら「石とびの術」と忍者ごっこをしている子、
少々重い石を動かして、その下に何かかくれているか真剣に見つめる子、
中洲の茂みの中にぐみの木を見つけて「これ食べれんがか。」と叫ぶ子
「食べても大丈夫だよ。」というと、すぐに飛びついて口にする子達が実におもしろい顔をして
「すっぱい!」「すぱ~い!」と言うのを聞きながら、先へ先へと進む子を制した上で、
平らな地面を見つけて座りました。座った場には小さな砂利がいっぱいで、
女の子の目が光ります。「これ石の宝石や。」「宝石って本物はみんな石なんやぞ。」
「へぇ、ダイヤモンドも?」「そうや石の中から出てきたのを磨いて光らすんやってパパが言っとった。」
さすが年長さん、色んな知識をしっかりキャッチしているのです。
サイレンの音が聞こえて先生の合図で河原を引き揚げました。冒険心を残しながら。

2013年05月31日 11:29

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