学校法人 和田学園  認定こども園 青竜幼稚園

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前園長日記/和田節子ライブラリー

『思い出さがし』 61・いもほり①

秋の恵みを体験できるいもほりを始めて20年近くになります。五郎島のおいしいおいもを毎日収穫できるのは嬉しいことです。畑を提供して下さる方に感謝です。最初は何人かのイベントで出かけて行ったのですが、強引に毎年お願いできませんかとお願いしたところ、組合の人と話し合ってから返事をするとのことで、数日後OKが出て、毎年青竜、青竜第二幼がバスを連ねて出かけるようになりました。何年に一度は畑を変えることはありますが、広い場所を提供頂いてとても助かっています。雨の日を避けて運動会の後で出かけるので、子ども達も集団行動が上手にとれる様になり、動きもどんどん意欲的になってきています。でも中には、砂をさわれない子、虫がいて泣き出す子、虫しか興味がない子もいて、先生方も目が離せない時間でもあります。以前から見ると、砂にさわれない子が多くなりました。虫が恐いという子も増えた様に思います。いもほりが始まった頃、白いやさしい指でいもの頭をなでてばかりで掘り出すことのできなかった子を応援した時のことです。細くて白い指で何度もいもに触れながら「早く早く出ておいで、お願いだから出ておいで。」と歌う様に話かけているのを聞いて、この子の心の世界を見つめることにしました。3歳の彼女にはどんな世界が見えているのだろう、と横にいて一緒にいもの周りを掘り進めてみました。「ほらほら、がんばって出ておいで。」と優しく語りかける子が愛おしくなりました。(続く)

2012年10月26日 10:34

『思い出さがし』 60・秋の恵み②

秋をさがす子ども達の顔がとても利口に見えて来ます。「スポーツの秋!」「食欲の秋」と叫ぶ子の中に「ほうや、お米もできるね、おにぎり大好きや。」と元気な声もあがります。「りんごも赤くなってたよ。」「わたし、りんごあんまり食べたことないな、だって皮むくの面倒くさいってママ言うもん。ジュースは毎日飲むけど。」「ぼくのママもみかんとかいちごとか、包丁使わん果物ならありがたいのにと言うよ。」「でも、パパが大好きなりんごはちゃんと毎日たくさんむいてくれるよ。」「ほんとは皮のまま食べた方がいいげんよ。」と物知りの女の子が言うと「この間、皮も食べられるぶどう食べたけどおいしかったよ。」「わたしも食べた。外国のぶどうやったよ。大きい巨峰っていう日本のぶどうは皮も種も食べれんよ。」大人顔負けの話し合いの時、小さい男の子が「ボク、こんこん出る。」と言ったのを聞きのがさず「お布団着んと風邪ひくね。パパが寝巻を秋の寝巻に変えたよ。」と話かけて来ます。どの子もその子なりに秋を感じているようです。夏の間暑くてじっくりまわりを見ていなかった子ども達がしっかり周りを見て話し合う季節になりました。運動会でひとまわり成長した子ども達にとって、自分を取りまく自然を話題にすると、すぐ飛びついて自分なりの思いや知識を伝えて来るので、じっくり話を聞いてあげたいと思います。台風の話が出てくると水がダムにいっぱいになるとか、沖縄の人が大変だとか、本当に子ども達の自然の恐さと恵みへの知識はすばらしいものがあります。ご家庭でも話し合えるといいですね。

2012年10月19日 10:38

『思い出さがし』 59・秋の恵み①

「まっかだな、まっかだな」と歌う子どもの声が窓から聞こえて来ます。「つたの葉っぱはまっかだな」と歌い続ける子ども達が園庭に出て来たので「つたの葉っぱって知ってる?」と聞くと、ほとんどの子が知らんと首を振ります。「でも、もみじって知ってるよ。」と割り込んで来る子がいます。「わたしも知っとる、手みたいな葉っぱやろ。」「絵はがきで見たら、めっちゃきれいやった。」「もみじ組ってそのもみじやね。」と口々に集まって来ました。みんな目が輝いています。「先生、秋やね、夜になると虫が鳴いてるよ。涼しい声やよ。」「ほうや、涼しくなったし、涼しい声で鳴くげんね。」「セミの音って暑苦しいし、やかましいね。」「なんかセミの声いつの間にか聞こえんくなったね、不思議やね、どうして秋やってわかったんやろ。」「そんなん虫の方が知っとるんや、だって体で温度がわかるんやって、パパが言っとったよ。」「ふーん、虫ってかしこいがやな。」「温度って体でわかるようになっとるんやね。」「ぼくらだって寒い日とか暑い日はすぐわかるよ。」と言い出した子を中心に秋をさがそうということになりました。「柿の実が赤くなる。」「エー!だいだい色や。」「違うよ、柿色っていうんだよ。」「でもおいしいね。ちょっとかたいげん。」「私のうちになるよ。でもカラスのエサにするんだって、バァちゃんが言っていたよ。」「コスモスが咲くよ。」「ドングリ!」「クリの実も。」「いちょうの葉っぱが黄色くなるね。」「朝、水道の水、冷たくなるよ。」「スズ虫の声、すてきだね。」「さくらの葉っぱが赤くなる。」次々に秋を伝え合っています。(続く)

2012年10月12日 10:39

『思い出さがし』 58・運動会について③

会場がどよめきました。バトンをもらった4年生はトップで走って行きましたが、倒れたつとむ君は起き上がって来ませんでした。本部から先生達が駆けつけて来ました。私も真っ先につとむ君に走り寄ったのですが、抱き上げてもぐったりしています。でも、顔色はいつもと変わりません。「つとむ君、しっかりして!わかる?先生の顔が見える?」と揺さぶると薄ら目を開けて頷きます。教頭先生がコップに水を入れて持って来て下さいました。「さあ、お水を飲んで!元気出して!」というとコップにかぶりつく様にして一口水を飲むと「ありがとう。」と言ったのです。そして、私の膝の上にしっかり座ってコップの水を飲み干しました。その間に4年生の選手のバトンは5年生に渡していました。私はつとむ君を膝に抱えながら応援し、3組のみどりタスキが2位でゴールインするのを確かめました。ほとんど同時の様に見えた人達もいたらしく、残念でしたが2位でした。かけ足でグラウンドを一周して、みんなの大拍手の中を退場する選手の一人つとむ君の手を引いて手を振りました。何だか涙が込み上がってきて、教頭先生の持って来て下さったお水を「ありがとう。」と言って飲んでくれたつとむ君の人間としての大切な資質を垣間見ることのできた運動会という行事に感謝しました。まさかのことが起こりやすい行事だからこそ本当の人間の姿が浮かび上がるのでしょう。ゆたか君とつとむ君は強い絆で結ばれた兄弟の様に長い人生の友人となっていったのです。

2012年10月05日 10:39

『思い出さがし』 57・運動会について②

全校リレーの選手として、3年代表の1人になったつとむ君は緊張で何度もトイレに行っていました。それを心配そうに見守るゆたか君。何ともほほえましい光景でした。最後の全体遊戯の前に全体が盛り上がるリレーは運動会の花でした。大きな拍手で登場して来たリレー選手1年から6年まで24人の子ども達は、みんな緊張の中にも誇らしげな足どりで出場です。どの学年も4組あったので、1組と3組は男子、2組と4組は女子だったと思います。3年3組代表のつとむ君は、いつものおふざけではない表情で、とても凛々しく見えました。でも時々瞬きを激しく繰り返して緊張の極限にいるようでした。それを察したのでしょうか、ゆたか君が叫びました。「つとむ!深呼吸!深呼吸!」私も「笑って!笑って!」と拍手をしました。その声が届いていたのでしょうか、駆け足でグラウンドを一周していたつとむ君が、ふと立ち止まり大きく深呼吸を一回したのです。みんなが笑って拍手をしました。それを合図に3年生から6年生の全員が深呼吸をしたのです。司会の6年生の先生が「ヨーシ、もう一回。」と合図をして下さって全員リラックスした表情で所定の位置に並びました。つとむ君にいつもの笑顔が戻って来ました。「ヨーイドン!」スタートを切った1年生がグラウンドを半周します。続く2年生も半周です。3年生からは一周です。つとむ君は2番目にバトンをもらいトップに追いつく様にして4年生にバトンを渡しました。「ヨシ!行け!」とゆたか君が応援します。その時です。勢い余ったつとむ君が転倒したのです。(続く)

2012年09月28日 10:44

『思い出さがし』 56・運動会について①

秋は運動会のシーズンです。昔は春に小運動会、秋に大運動会を実施したこともあります。運動会を楽しみにしている子にとっては嬉しい限りですが、苦手な子は病気にならないかと思ったりする様です。勉強もできて運動もできる子にとっては、連日の練習も苦になりませんが、勉強も運動も苦手な子にとっては暗雲の季節だったと思います。小さなケガを大きく報告したり、少しの発熱でも大げさにしたりして、担任の先生を困らせていた時代がありました。でも、勉強が苦手でも運動の大好きな子にとっては、自分を認めてもらえる輝きの時でもあり、生き生きとその時期を生きていた様です。私が担任をした3年生のゆたか君は勉強はクラスのトップでしたが、運動関係はどうも苦手で、特にかけっこはどのグループに入っても最後尾を走っていました。ドッヂボールをしていてもボールが当たってから手を出すような一歩遅れた動作がユーモラスでみんなに笑われていたのです。でも勉強では誰も敵わずみんなに一目おかれていたので、みんなからはバカにされずその愛すべき動作にホッとしていたのかも知れません。勉強の大嫌いなつとむくんがいつもドッヂボールの時はゆたか君のすぐそばにいて見守っているのがわかりました。どこかに弱点があると謙虚になるタイプのゆたか君だからこそ、みんなに受け入れられたのでしょうね。秋の大運動会の日、つとむ君はリレー選手として全校リレーに参加することになりました。(続く)

2012年09月21日 10:45

『思い出さがし』 55・夏の思い出②

末っ子が3才になると、長女は夏休みを利用して東京から帰って来ると上野動物園へ行こうと誘ってくれると末っ子は大喜び。親の手を離れてバイバイと東京へ行ってしまうこともありました。何日かするとホームシックになるらしくすぐ帰って来るのですが、帰りの電車の中で「お姉ちゃん、ぼく上の動物園行って来たけど、今度、下の動物園連れて行って。」と言って、車内の人を笑わせたり、とてもリラックスした旅行だった様です。兄が小学生になると野球野球の日が続くので、幼稚園時代は2番3番の姉といることが多くなり、キャッチボールの相手やバッターになってバットを振ることが多くなり、兄の野球に興味をもって観戦に行きルールも覚えたようです。父の車でよく兄の応援に行くようになり、母親の仕事がなくなる日もあり、ふとんを屋上に干して取り入れた後にその太陽のにおいに包まれながら、お昼寝をしてしまった日もありました。父親が休日の時はキャンプに出かけたり、海水浴や健民プールへ出かけたりして家族はみんな真っ黒になる夏でした。ゆっくりと絵本を読んだりする日々はあっという間に過ぎて行き、寝る前の昔話も途中で語り部の私が眠ってしまうので、物語はなかなか最後まで進まず、しかも同じ所で眠ってしまうので、それが終わりだと思った子ども達は、あとで本物の物語を知って大いに責められてしまいました。兄弟が多い昔の人は、きっとこんな手抜きが許されていたのだろうと思うと、1人か2人を育てるほうが、何倍もの親のエネルギーが必要になるのではと想像できます。

2012年09月14日 10:52

『思い出さがし』 54・夏の思い出①

5人の子どもがまだ小さい頃、家族でよく出かけた写真がいっぱいあります。特に夏は、母親の私が夏休みの多い職業だったせいか、子ども達と一緒に過ごした写真が目立ちます。女の3人が学校前は、やや認知症気味のおばあちゃんがいらしたので、近所の子ども達とよく遊んでいるのを写しました。上の子はお化粧に興味があり、友だちと数人で口紅を一本自分の口に塗り込み、全員たらこの唇になってお化けごっこをしたり、口紅で鏡に顔を描いたりしていました。さすがに大声で叱りましたが、当人達はよほど嬉しかったらしく、石鹸で顔を洗いながら笑っていたのをもう一度たしなめた様に思います。2度とすることはありませんでしたが、その時の絵を描いて友だち同士で笑い合っていて、妹にその絵を見せて楽しそうに叱られたことを伝えていたのを思い出します。年長の女の子にとって化粧をすることは大人への憧れなのでしょうか。下の妹達も、その時期ファンデーションを塗り込んだり、眉を描いたりして、変なおばさんを演じていました。女の子は活発な子でも室内の遊びを上手に見つけていましたが、男の子2人は歳が6つも離れているのに小さな弟は兄の後を追いかけてよく外へ出ました。その頃は、女の子も中学生、高校生になっていて、下の弟の面倒をよく見てくれたので、親は大変楽をさせてもらいました。一番上の子は親元を離れて行きましたが、4人が思い思いのやり方で夏休みを過ごす様子を見ていて、とても楽しいものでした。   (つづく)

2012年09月11日 10:53

『思い出さがし』 53・いじめについて考える

リレー大会で1年生のアンカーとして参加した私は、3位でバトンを受け、最後はトップで2年生にバトンを渡したのが注目の的となり、知らないお母さんから「最後、早かったね。カモシカみたい。」と言われました。カモシカって何だろうと思って図書館へ図鑑を見に行った程でした。山の中腹でジッとこっちを見ているシカの様な動物の姿が今も目に浮かびます。こうして逃げ場をさがしている弱者にとって、心を込め応援してくれる人がいると人は再生できるのだと知りました。たった一人でいいのです。静かに隣にいてくれる人がいたら弱者は立ち上がれるのです。京子お姉さんは決して人前で体を張って私を助ける様な人ではありませんでしたが、困っている時必ず隣にいて私を応援してくれました。「ごめんね。大声であなたを助けると、あの人達は私のいない所であなたをもっとひどい目に合わせるかも知れないと思うと大声であなたを守れないのよ。ごめんね。あなたが強くなるために応援することしかできなくて・・・。」こうしみじみと言われたのを忘れることができません。今から70年も前のことですが、こんなに深く考えて行動する6年生がいたのです。多分現代の子達も同じなのでしょうが、今はネットやメールでの形を変えたいじめの構造があって、昔と比較することは困難なのでしょう。でも、妬みやうらみの心がいじめの元になっていることは同じです。その心を大きくしないためにも、幼児期の大きな愛が必要なのだと痛感しています。

2012年09月04日 10:53

『思い出さがし』 52・いじめについて考える

早生まれの私は大きく生まれた為でしょうか、身長も平均より高く走ることが大好きでした。田んぼのあぜ道を毎日夕方走りました。夕食ができるまでの1時間を走り続けました。走っていると心が軽くなって自分が毎日少しずつ強くなっていく様な気持ちになりました。自信がついたのでしょうか、京子お姉さんから「元気になったね。」と声をかけられると、いっそう自信がついてきました。秋の運動会は、1年生でも1人1周のリレーがありました。400mは走ったでしょうか。1年生にとってはきつい競技でした。でも私には嬉しい時間だったのをはっきり憶えています。練習時からバテる子が増えてきました。とってもハードで、1年生は半分にしようという意見が出たようです。でも、学校全体の雰囲気は、戦争に勝つためには1年生でもこれだけ頑張るのは当たり前ではないかということでした。子ども達も日に日に持久力がついて頑張りました。特に男の子はとても元気で、練習の成果は大いに上がっていきました。その男の子の中に数人の女の子が入っていて、いつも褒めてもらっていました。2月生まれの私がその中に1人だったので、みんなの視線が変わってきたのは驚きでした。そして全校リレーで1年生から6年生まで各クラス4名ずつの選手に選ばれたのです。嬉しかったですが戸惑いもありました。でも、京子お姉さんが一番喜んでくれて自信がつきました。その時期からいじめのターゲットが変わって行きました。  (つづく)
2012年08月24日 10:52

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