『思い出さがし』 54・夏の思い出①
5人の子どもがまだ小さい頃、家族でよく出かけた写真がいっぱいあります。特に夏は、母親の私が夏休みの多い職業だったせいか、子ども達と一緒に過ごした写真が目立ちます。女の3人が学校前は、やや認知症気味のおばあちゃんがいらしたので、近所の子ども達とよく遊んでいるのを写しました。上の子はお化粧に興味があり、友だちと数人で口紅を一本自分の口に塗り込み、全員たらこの唇になってお化けごっこをしたり、口紅で鏡に顔を描いたりしていました。さすがに大声で叱りましたが、当人達はよほど嬉しかったらしく、石鹸で顔を洗いながら笑っていたのをもう一度たしなめた様に思います。2度とすることはありませんでしたが、その時の絵を描いて友だち同士で笑い合っていて、妹にその絵を見せて楽しそうに叱られたことを伝えていたのを思い出します。年長の女の子にとって化粧をすることは大人への憧れなのでしょうか。下の妹達も、その時期ファンデーションを塗り込んだり、眉を描いたりして、変なおばさんを演じていました。女の子は活発な子でも室内の遊びを上手に見つけていましたが、男の子2人は歳が6つも離れているのに小さな弟は兄の後を追いかけてよく外へ出ました。その頃は、女の子も中学生、高校生になっていて、下の弟の面倒をよく見てくれたので、親は大変楽をさせてもらいました。一番上の子は親元を離れて行きましたが、4人が思い思いのやり方で夏休みを過ごす様子を見ていて、とても楽しいものでした。 (つづく)