『思い出さがし』 61・いもほり①
秋の恵みを体験できるいもほりを始めて20年近くになります。五郎島のおいしいおいもを毎日収穫できるのは嬉しいことです。畑を提供して下さる方に感謝です。最初は何人かのイベントで出かけて行ったのですが、強引に毎年お願いできませんかとお願いしたところ、組合の人と話し合ってから返事をするとのことで、数日後OKが出て、毎年青竜、青竜第二幼がバスを連ねて出かけるようになりました。何年に一度は畑を変えることはありますが、広い場所を提供頂いてとても助かっています。雨の日を避けて運動会の後で出かけるので、子ども達も集団行動が上手にとれる様になり、動きもどんどん意欲的になってきています。でも中には、砂をさわれない子、虫がいて泣き出す子、虫しか興味がない子もいて、先生方も目が離せない時間でもあります。以前から見ると、砂にさわれない子が多くなりました。虫が恐いという子も増えた様に思います。いもほりが始まった頃、白いやさしい指でいもの頭をなでてばかりで掘り出すことのできなかった子を応援した時のことです。細くて白い指で何度もいもに触れながら「早く早く出ておいで、お願いだから出ておいで。」と歌う様に話かけているのを聞いて、この子の心の世界を見つめることにしました。3歳の彼女にはどんな世界が見えているのだろう、と横にいて一緒にいもの周りを掘り進めてみました。「ほらほら、がんばって出ておいで。」と優しく語りかける子が愛おしくなりました。(続く)