『思い出さがし』 60・秋の恵み②
秋をさがす子ども達の顔がとても利口に見えて来ます。「スポーツの秋!」「食欲の秋」と叫ぶ子の中に「ほうや、お米もできるね、おにぎり大好きや。」と元気な声もあがります。「りんごも赤くなってたよ。」「わたし、りんごあんまり食べたことないな、だって皮むくの面倒くさいってママ言うもん。ジュースは毎日飲むけど。」「ぼくのママもみかんとかいちごとか、包丁使わん果物ならありがたいのにと言うよ。」「でも、パパが大好きなりんごはちゃんと毎日たくさんむいてくれるよ。」「ほんとは皮のまま食べた方がいいげんよ。」と物知りの女の子が言うと「この間、皮も食べられるぶどう食べたけどおいしかったよ。」「わたしも食べた。外国のぶどうやったよ。大きい巨峰っていう日本のぶどうは皮も種も食べれんよ。」大人顔負けの話し合いの時、小さい男の子が「ボク、こんこん出る。」と言ったのを聞きのがさず「お布団着んと風邪ひくね。パパが寝巻を秋の寝巻に変えたよ。」と話かけて来ます。どの子もその子なりに秋を感じているようです。夏の間暑くてじっくりまわりを見ていなかった子ども達がしっかり周りを見て話し合う季節になりました。運動会でひとまわり成長した子ども達にとって、自分を取りまく自然を話題にすると、すぐ飛びついて自分なりの思いや知識を伝えて来るので、じっくり話を聞いてあげたいと思います。台風の話が出てくると水がダムにいっぱいになるとか、沖縄の人が大変だとか、本当に子ども達の自然の恐さと恵みへの知識はすばらしいものがあります。ご家庭でも話し合えるといいですね。