『思い出さがし』 55・夏の思い出②
末っ子が3才になると、長女は夏休みを利用して東京から帰って来ると上野動物園へ行こうと誘ってくれると末っ子は大喜び。親の手を離れてバイバイと東京へ行ってしまうこともありました。何日かするとホームシックになるらしくすぐ帰って来るのですが、帰りの電車の中で「お姉ちゃん、ぼく上の動物園行って来たけど、今度、下の動物園連れて行って。」と言って、車内の人を笑わせたり、とてもリラックスした旅行だった様です。兄が小学生になると野球野球の日が続くので、幼稚園時代は2番3番の姉といることが多くなり、キャッチボールの相手やバッターになってバットを振ることが多くなり、兄の野球に興味をもって観戦に行きルールも覚えたようです。父の車でよく兄の応援に行くようになり、母親の仕事がなくなる日もあり、ふとんを屋上に干して取り入れた後にその太陽のにおいに包まれながら、お昼寝をしてしまった日もありました。父親が休日の時はキャンプに出かけたり、海水浴や健民プールへ出かけたりして家族はみんな真っ黒になる夏でした。ゆっくりと絵本を読んだりする日々はあっという間に過ぎて行き、寝る前の昔話も途中で語り部の私が眠ってしまうので、物語はなかなか最後まで進まず、しかも同じ所で眠ってしまうので、それが終わりだと思った子ども達は、あとで本物の物語を知って大いに責められてしまいました。兄弟が多い昔の人は、きっとこんな手抜きが許されていたのだろうと思うと、1人か2人を育てるほうが、何倍もの親のエネルギーが必要になるのではと想像できます。