『思い出さがし』 101・がまん強い子をみつめる①
体調不良をじっと我慢する子と、大げさに訴える子の様子をよく見つめようと話し合いを持ったことがあります。親も先生も医師も大げさに振る舞う子に注意がいきます。産婦人科の先生が「出産時、大声を上げる妊婦さんに若い頃振り回されたことがあります。」と切り出され、興味深く耳を傾けました。助産師さんが、まだまだ明朝まで生まれませんからと言い聞かせても、何度も大声を上げるのでドキドキしていましたが、私の説得力が足りなかったのか、いざという時に力が出なくなった妊婦さん。実家のお母さんが「この子はいつも大げさな子なので、ご迷惑ばかりですみません。」と何度も元気付けている助産師さんに謝っていたとのこと。「大人になっても変わらないのですね。」とため息をつく医師のご苦労話に皆さん頷きました。じっと我慢する子が突然嘔吐したり、高熱を出したり、うずくまったり、泣き出したりする時は十分気を付けたいという先生とお母さんが多かったのですが、その様子をしっかり見ていないと見落とすことが必ずあると、皆さんが自戒を込めて話していました。動きの大きい子、声の大きい子ばかりしか見ていない先生や親は、静かな子の小さなサインを見落とすことになると真剣な話が続きました。