『思い出さがし』 128・絵本③
ごはんを食べながら絵本を見ることは、そうあることではないと思いますが、幼児は絵本の世界へ入ったり出たりする能力というか感性があるのでしょう。『しろくまちゃんのほっとけーき』は子ども達に匂いや味までも感じさせてくれます。絵本を舐めたり「クンクンいいにおい。」と言ったりします。でも4才になると、さすがにそこまでやる子はいません。字が読めるようになると絵を見るより文字を懸命に読むのですが読み終わると、どんなお話なのか憶えていない子が多いものです。じっくり絵を見る子はイメージがしっかり根づいているので、文字を理解する頃には字も絵もしっかりつながって意識づけられています。旧の園舎園長の隣りや階段の横に本棚があった頃、毎日の様に絵本を開いている女の子がいました。好きな絵本は『かもとりごんべい』『ぐりとぐら』『だるまちゃん』『ちちちのはなし』など、「かがくのとも」のシリーズものだと言うことでした。いつも静かに読んでいるので友だちがいないのかなと思っていると10時近くになると2、3年のお友達が「おにごっこ」や「なわとび」「けんぱ」「ジャンケン列車」「おままごと」などに誘われて嬉しそうに遊んでいました。大好きなスポーツ好きな友人がバスで着くのを待っていたのかも知れません。その内、小さい組の女の子が「ねえ、これ読んで。」と持って来る「だるまちゃん」や「たろうのおつかい」シリーズを読んでもらっていました。一ページごとに間をとって小さい子の声を聞いています。異年令での本読みはとても嬉しい楽しい風景でした。
2014年07月20日 22:25