『思い出さがし』 88・友だち作り④
初対面でバチバチと火花を散らした3才児A子とB子。本能的に自分の優位を示したかったのでしょうか。
このことについては、我が子が体験したことがあります。
末っ子の三男が1年生から2年生に進級した時のことです。初日からランドセルに泥がつき、
制服の背中にズックのあとがついていました。「どうしたの?」と聞くと、
くやしそうに涙声で「何もせんがにボクの横に来ていきなり『このクラスで一番強いのはオレやぞ。』と怒鳴って、
背中をズックで蹴って倒れた時にランドセルをもぎ取って花壇に投げつけたんや。
くやしかったけど、ボク黙って帰って来たんや。お母さん、強いってどんなことや。」
と聞いてきました。きっとその子は、体の大きい息子を見て、
自分が優位に立ちたいと強く思ったのでしょう。〈本当に強いってどういうこと〉と話し合う前に、
子どもはストレートに本能的に感じたことを表現するのでわかり易いが、
大人でもどこかで比較して相手との優劣を見極めているのだろうと思い、
息子のくやしさに寄り添いました。わかり易いA子とB子の対立は、
その後何度もあったようですが、早くにお姉ちゃんになったB子は、
弟が生まれて姉としての辛い日々をB子に一言話したことがきっかけで、
A子はB子との距離を一気に縮めたらしく「お姉ちゃんって大変なんだよね。」
と2人で顔を見合わせて私に同意を求めてくるまでになりました。
担任に聞くと、レベル的に同じなので、とても気が合う時はリーダーとしてクラスを引っぱっていく力があり、
遊びもとても面白くて、他児の中心となってバランス良く活動するようになったとのことでした。