『思い出さがし』 84・さくらの花びら
さくらの花はあっという間に咲いて散っていくという印象が強いですが、日本列島は南北に長いので、桜前線が北上するのに何日もかかり、南の国から北の国までその美しさが楽しめるのは嬉しいですね。3月末北海道へ転勤して行った家族の方は、北の国から4月の終わりに美しい桜並木の写真と、1年生になったお子さんの少し照れて目を細めている姿を撮った写真を送って下さいました。お母さんの誕生日が4月29日だったせいか、桜の花びらが風に揺すぶられて激しく散っていく金沢の4月上旬をとても残念がって「アーア、ママのお誕生日に花びらのプレゼントをしたかったのに。」とぶつぶつ言いながら、ポケットいっぱいの花びらを4月11日に生まれた妹の頭の上に降らせていたということを聞きとても印象に残っていたので、北海道の桜の花びらはきっとママの頭上に吹雪の様に散って、ハッピーバースディを歌っていたのだろうと想像していました。幼児期、男の子の方がロマンチックで女の子はシビアです。一生を通してそうなんでしょうが、男の子が母親に向ける思いは相当なもので、どこのご家庭でも男の子はかわいいと母親の意見は一致します。男ばかりや女ばかりのお子さんを持っておられる方も男の子はかわいいです、とよく言われます。花吹雪をママにたっぷりかけてやりたいというのは、理想の花嫁を心に描いているからだという人がいるのですが、それも当たっているかもと思います。