『思い出さがし』 221・子どもの自己防衛②
泣いて寝ている子を見て、自分のしたことの残酷さに気付き、汗をかいて寝ている子の寝顔に『ごめんね、母さんは悪い母さんやね』と言って抱きしめたこともありましたが、歩行器にまたがってどこへでも出かけることができる様になると裸足のままで庭へ出たり入ったりお父さんが大切にしている金魚鉢の中へ何でも入れて喜んでいる彼女は、まるで怪獣のようで許せなくなり、初誕生の頃には、その成長を祝う気持ちより、誰かに育ててほしいと思う様になりました。でも、娘がとんでもないことをするたびに、あぁどこかで見たことがあるなぁ、誰かがやっていたことじゃないかなと、ふと思うことが多くて私の中にもう1人の自分がいるのではないかと疑う日が多くなりました。イヤだイヤだと駄々をこねる3才児頃、買い物帰りにどうしても店頭で動かないので最後には、しびれを切らしてその場に置いて車で帰って来た時がありました。その時も、あっこんなことあったなと思ってめまいがしました。幻覚を見ているのかと自分が怖くなりました。大雨の日、「出て行け!」と大声で怒鳴った時、雨の中を平気で、ずぶ濡れになって歩き出した我が子を見た時も私はどこかで見た光景だと思うと鳥肌が立ちました。やっぱり私がおかしいんだと思って、こども相談に電話をしてみましたが「よくやっておられる。その気持ちを大切にして腹が立ったら深呼吸して下さいね、大丈夫です。」とのことで私は少し安心しました。そして、2年保育で幼稚園へ入園しました。
2016年05月29日 23:57