『思い出さがし』 220・子どもの自己防衛①
2年生を担任した時のことです。初日にお母さんから長いお手紙を頂いてびっくりしました。その手紙を持って来たのはHさんで目のくるくるした少し色は黒いがとても可愛い子でした。でも、その目の奥には不安がいっぱいでオドオドしていて今にも泣き出しそうでした。私はさり気なく受け取って「先生、すぐ読んで分かったことがあったら教えてあげるね。」と言って、すぐ封を切って休み時間に呼んでみました。冒頭から思いつめた文章が迫って来ました。「先生、私は子育てに向いていないのです!!自分の子をかわいいと言う母親を見るとヘドが出ます。どうしてそんなことが言えるのかと叩いてやりたいと思います。私が変なのだと思って、いろいろ反省もしてみましたが、やっぱり他の人が変なのだと思います。いや、みんなが変なのです。彼女は生まれてからしばらくは、お腹がふくれると寝てばかりで手のかからない赤ちゃんでした。ミルクもおっぱいもそんなに面倒なことではなく、時々眠くて愚図っていても揺すると泣き止み、よく寝てくれました。5ヶ月過ぎから余り昼間は寝ない子で泣き声も大きくなり、揺すっても寝てくれません。私は思い切りお尻をひと叩きしました。彼女はびっくりしたのか、すぐに泣き止み私を見て泣きじゃくりながら抱っこを求めて来ました。「しまった」と思って抱きしめましたが、少し泣き止んだだけでした。又、大声で泣き叫んだまま疲れて眠ってしまったようです。この日を境に大泣きしてはお尻を叩かれ絶叫して疲れて眠るというパターンが出来上がりました。
2016年05月23日 23:57