『思い出さがし』 216・小さな親切⑥
終わりの会は続きました。「ねえ、男の子は『窮屈や』って言うけど、私達は友だちの良い所探しが出来て良かったよねえ。」とリレーではいつもコーナーで先頭に追いつき直線でトップで優勝してくれる、なお子さんの意見も出ました。いたずら坊主も、なお子さんには憧れみたいなものがあって余り反対が出来ません。「そりゃそうやけど、良いとこ、良いとこって探すのめんどくさくないけ。」「めんどくさいと思うから、すぐケンカになるんや。」「ケンカじゃないもん。友だちになるための握手みたいなもんや。」「へえ、あんな掴み合いの握手なんてないわ。」「お前ら女と違うんやなー。」と、はじめくんは男の子を見渡します。「そうや、おれら男のことは女には分からんやろ!」と数人の子が立ち上がります。「ちょっとタイム!」私は手を上げてみんなを見つめました。よく見ると、3年生の後半に入った子ども達は何となく男の子と女の子の違いみたいなものを感じました。体の大きな男の子は小さな子と比べると骨組みが男っぽい感じです。いつもじっくりと子ども達を男女の違いで見たことがなかったので新鮮でした。そういえば、この年令頃から女の子は小さなグループで固まり、男の子は大きなグループを作っていたなと思い、「親切運動のことでみんながとても深く考えてくれたのが大きな学びだったと思います。そんなみんなと出会ったこと、本当に嬉しい。みんなに大きな〇(まる)をあげます。花まるかな。そんなみんなに1つだけ注文があります。男と女と言うより人間として成長してほしいです。」「そんな注文は、あと10年待って下さい。」とおどけて言ったのは、はじめくんでした。
2016年04月24日 23:58