『思い出さがし』 200・うさぎのランちゃん①
明けましておめでとうございます。 先月より読書のことを話題にしましたが、何十年前のお正月の年賀状に混じって小さな手作りの絵本を送ってくれた子がいました。うさぎを飼っていた時のこと、シャワーをしてあげた後、死んでしまったことを寂しそうに愛情いっぱいに記してあった小さな絵本でした。ランちゃんと名付けられた子うさぎは、右耳の先が折れ曲がった赤い目をした真っ白なうさぎだった様です。幼稚園を卒園して3年位経っていたでしょうか、転勤した関西地方や小学校へ通っていたのでしょう3年生になってとても悲しいことに出合い涙を流すだけでは、ランの生きていた思い出が自分だけのものになってしまうと思い、『沢山の絵本を読んで下さった幼稚園の園長先生にランちゃんの生きていた頃のことを知ってもらい、一緒にランのことを思ってほしい』と同封の手紙にきれいな字で書いてありました。嬉しかったです。今の青竜の子ども達もそうですが、絵本を見ている時の目の輝きは素敵です。それは、心の輝きでもあります。昔の子ども達もそうでした。シーンとなり画面を見つめる子どもの純な息づかいが伝わって来ます。読み終わると、ため息や感情の波が押し寄せて「もう一回!」とアンコールがかかることが多かったです。その中の1人に手紙をくれた女の子がいました。そういえば、『かたあしだちょうのエルフ』を読んだ時泣いた子だったなあと思い出しました。絵本好きな子の感性は柔らかく鋭く、そして純粋です。小さなランちゃんの話をお伝えしましょう。
2016年01月02日 23:58