『思い出さがし』 157・育つ環境③
「2人の育ちを見ているとどんな結果になるか分かりませんが育ちを見ていると一卵性の双生児とは思えないので両方の家族が、それとなく出会う場を多くしてお互いに2人の様子を知ることが必要な気がします。」と答えて分かって頂きました。相談に見えたのは2人の担任の先生の評価が違うことに戸惑って話し合った様です。「静と動」「明と暗」の両極に分かれたことについて納得できないとB君の両親は担任に疑問を投げかけたということを後で知りました。どちらが良いとか悪いとかではなく、育った環境の違いだということを分かってもらいたいと思いました。A君は忙しい人の出入りの多い家庭で育ち、他人との交流もあり、思いやりのある2人の兄と明るくて人付き合いの豊かな両親のもとで大らかに育ったのです。一方、B君は生活リズムの安定した家庭で毎日きちんと「お帰りなさい」と優しく迎えてくださる母と静かにおやつを食べる生活、きちんと定刻に帰って来る父親と定時に夕食を食べ、お風呂にもきちんと入ってベッドへ入って眠る生活。時々両親が読んでくれる絵本や物語は心を豊かにしてくれたことでしょう。でも、3年生になると友達との関係が深くなり、友人の家への出入りも楽しく両親への思いを本音で話し合うチャンスも欲しかったのだと思います。そんなことを言い出す年令になったのに静かなB君を見て担任はA君を引き合いに出して心配していたのだと思います。育つ環境の差を見事に見せてくれた2人の兄弟は私にとって大きな学びになりました。
2015年02月25日 23:58