『思い出さがし』 155・育つ環境①
教育に関する仕事を始めて56年。様々な子ども達とその家庭に出会ってきました。特に双子の兄弟が、母親の産後が悪くて亡くなった時、別れ別れに育った双子の兄と弟を別々の学校で出会うことになりました。一卵性なので顔形や体格はよく似ているのですが、表情や身振り、話し方が違うので接した先生方は姓も違うのでわからない人が多かったようです。1年2年と持ち上がった弟と、異動で別の学校へ行った時に出会った兄とは双子とは思えない存在でした。3年4年と連続だったので2人の違いがよく分かり、ご両親と話しをしましたが、生まれた時の状況を知っていただけに2人が一卵性双生児だと分かった時は不思議な思いでいっぱいでした。弟は真面目で礼儀正しく、宿題を忘れたことがなくしかも控え目でしたがテストはいつも100点で静かな少年でした。一方兄と呼ばれる少年は、明るくて活発、面倒見が良くて人気者、リレーの選手ですが忘れん坊で、夏休みの宿題を9月1日の前日にやってのける子でした。絵が上手で特に動物の絵には迫力がありました。弟の方も花の絵が好きでセンスの良い絵は女の子の人気の物でした。似た所もあるのですが、まるで別人のような一卵性双生児は初めてでした。よく考えてみるとご両親が全く正反対の生き方をしていることに気付きました。連続して担任をしたことで分かったことでした。
2015年02月06日 23:31