『思い出さがし』 142・運動会で学ぶ④
リレー選手も無事に決まり、自主練習をする子ども達。男女が交互に走るので、走る順番は自分達で決めることにしたようです。スタートは女の子でアンカーは男の子です。去年のことを思い出したのでしょう。H君はアンカーに指名されるとあっさり断りました。そして「6番目走りたい。」と主張しました。男の子たちは何となくH君の去年のことを思い出したのでしょう。「うん、いいよ。なあ。」あとの3人はじゃんけんをして勝った子から好きな順番を決めていきました。女の子は去年選ばれなかったTさんが「私、スタート!」と手を挙げました。他の3人は少々不服でもじもじしています。「走りたい人にさせてやろうよ。」と声をかけたのはH君です。「そしたら勝っても負けても恨みっこなしだよ。」と続けます。「恨みっこなしって?」と私が聞くと「自分の力がわかって人のせいにしないってこと。」と答えたのです。1年間苦しんで悩んで出しただろうH君の答えに感心しました。まだまだ子どもだと思っていたH君が悔しい思いの中から見つけた答えだったのでしょう。悔しさから学ぶ子が色んな場面でいるに違いないと8人の選手の練習を見ていました。運動会の日は午後から雨という予報でしたが、2年生のリレーは秋空の下で走りました。女の子のスターターTさんが3位でスタート。なかなか抜け出すことができません。そしてH君へ。コーナーで追いつきバトンタッチは同時。そしてアンカーのO君は3位の子を肩先で抜き2位でした。H君はアンカーのO君に「ごめん、ぐ~と抜けんかった。」と言い肩を抱き合っていました。
2014年10月24日 23:55