『思い出さがし』 120・子どもの居場所②
すばらしい影のリーダーだったM君のご両親は農家の方でしたが、祖父母と曾祖母のいる家庭で育ち、3人の男の子は時々家の手伝いをしながら小動物や植物に興味を持った子ども達でした。大家族の中で忙しい両親や祖父母の働く姿や、お互いに労る様子を見て育ったのでしょう。言葉が柔かくトゲトゲしさがありません。真ん中っ子のM君は寂しがり屋だったのでしょう。弟が生まれてからはずっと曾祖母の部屋に入っておしゃべりすることが多くなったようです。兄は3年生、弟は3才のやんちゃ盛りで、おばあちゃんとおじいちゃんが世話をしてくれているようです。弟に手がかかるのでM君は曾祖母(大おばあちゃん)のところが落ち着くようです。80才を越えた大おばあちゃんは、庭に花を植えたり菜園の野菜に水をやったりして、よく体を動かして色んなことを教えてくれるようです。その大おばあちゃんの一言一言がM君を成長させているのだと思います。「お前にいじわるをする子がいたら、それはお前をキライだからじゃないんだよ。仲良くなりたいからなんだよ。だから、わかったよ。ごめん、ゆっくり話してね。と言うんだよ。すぐ泣いたり、怒ったりしても相手と仲良くはなれんのだよ。」大おばあちゃんのようにゆったりと話してくれるM君を見ていると、こうした寛容さが落ちついて穏やかに周りを見られる子を育てているのでしょう。