『思い出さがし』 81・表現会を終えて
年少組が賢さで勝負して来ると、年中組はお株をとられた形になり、とても厳しい現実が待っています。先生達が考える前に子ども達の中に意識が芽生えて来たのでしょう。虫博士や恐竜博士、なぞなぞ博士が生まれてきます。先生の心配をよそに、その年令の持っている発達の特徴を見事に出して自分達をアピールするのです。表現会の合奏を見ても、年少の頃とは全く予想もできない成長を見せてくれるのは、その賢さの結果でしょうね。楽器も増え、パートの意味もわかり、指導者を見て演奏することの大切さを身を持って実感しているようです。こうした賢さは、日常の中でたくさん見られます。「どうして恐竜は全滅したのか。」「人は死んだらどうなるのか。」「地球はたくさんの星の中の1つなのか。」「空気のないところでは生物は生きていけないのか。」などと質問の中身が濃くなってきます。大人でも答えられない質問が多くなるのが表現会後はっきりしてきます。今まで子どもだとばかり思っていたのに、内面が豊かになってきたのに驚きます。思いがけない成長を見せる年中組は、大人を見る目もとてもシビアで、ごまかしができません。この時期に親への不信感を持った子は、思春期までそれを引きずるのを何人も見てきました。きちんと一人の人格を持った人間として対応していくべきだと思います。でも、まだまだ子どもなので、びっくりするほど幼い面を見せることもあるので親としては難しい時期です。それは年長にも受け継がれて行きます。