『思い出さがし』 78・表現会①
2月も後半に入ると春の気分になりますが寒さはまだまだです。温暖化が叫ばれて久しいのですが、確かに昔は入学式に雪が降り、祝辞を読み上げる市長代理の方の肩に、まるで桜の花びらの様に雪が降り注いで、出席者が拍手したことがありました。1年生を担任することになった私は、手を広げて雪片を受けとめようとする子の肩に手を置きながら、美しい風景だなと思ったことを思い出します。その頃から見ると雪も少なく、春の訪れは早くなった様にも思われますが、三寒四温という季節の表現会は天候が不安定で子ども達の体調が心配です。近年は、ノロウイルスやインフルエンザの流行に二波三波とうねりがあり厳重な注意が必要です。こうした中での表現会の練習は、当日のクライマックスを迎える様なペース配分が必要です。余りにも早く出来上がると、ピークを過ぎた子ども達は演ずる興味を失い、やる気がなくなります。ペースが遅いと、当日子ども達の実力を開花できません。日々の練習は、常に子ども達の体調ややる気を観察しながら進めていかなくてはならないのです。しかし個人差があり、セリフや踊りをすぐ憶える子と何回もくり返してじっくり自分のものにしていく子とでは、全体のバランスを考えて取り組まないと、作品のテーマが伝わりにくくなります。一人ひとりが輝くためにどうすれば良いか指導者のセンスが問われるのです。