『思い出さがし』 74・お年玉①
始業式にお年玉の話をしました。そのためでしょうか、子ども達は「園長先生、ボク10.000円札もらった。」「ぼくも。」「わたしは1.000円もらった。」「わたしはお姉ちゃん達みんなで5.000円。」と様々な声が聞こえてきます。今も昔もお年玉の楽しみは格別なのでしょうか。時代と共に金額も変化したのでしょうか。あるテレビでは、小学生の平均は5.000円。中学生は10.000円ということでしたが、幼児は1.000円以上だろうとのことでした。これはお年玉を出す親や大人の話のようでしたが皆さんはどうでしょうか。私の3才頃は父方も母方もおじいちゃんが亡くなられていたので、親類の長老のおじいちゃんの家へ新年のご挨拶に伺ってお年玉を頂く習慣がありました。口の小さいガラスの箱にたくさんの小銭は入っていました。長老の方が一年間にためて下さったお金でした。今の様に500円玉ではなく、1銭5銭といった貨幣もあったようです。大人の人が手を入れると入るのですが、お金をつかんで小さな口から手を出そうとするとひっかかって出ません。つかんだ貨幣をできるだけ少なくすると手がとれるのです。おじいさんは笑いながらみんながつかみ出す様子をじっと見つめていました。時々にこにこして応援もしました。でも助けてはくれません。私が手を入れると「よくばりをせず、指の間にはさんで出してみなさい。」と小さい声で教えてくれた年は一番たくさんのお年玉になりました。次の年から小ビンの口が大きくなり嬉しかったことを思い出します。