『思い出さがし』 64・秋の公園で
お天気の良い日は公園でお弁当を食べる日もあります。秋は短いので、おだやかな日を大切にしてお散歩に出かけます。第一幼稚園の隣の公園は、20数年前は噴水が何本も立っている大きな池のある公園でした。豊かな水が空へ向かって噴き出し、園に爽やかな風を送ってくれていました。でも困ったことに、池の中にはゴミや空き缶が投げ込まれ、あふれ出る水に足を取られてケガをする子ども達が出て来ました。観賞したり、憩いの場として清潔に保たれている時は価値が高かったのですが、何人もの子ども達が頭をケガしたり、水中の汚れた水でずぶぬれになったりしたので、地元住民の要望で現在の様な運動公園になりました。出来上がるとすぐ小学生達の走る姿が毎日の様に見る日が続き、子どもと父親の声が聞こえる町になりました。その頃、公園でお弁当を食べて自由に遊んでいた子ども達。その中にヒラヒラと舞い散る赤く色付いた桜の葉っぱを手で受けながら「ワーつかまえた。」「やったーしあわせ!!」と叫んだ子達がいたのです。「しあわせ!!」と叫んだ女の子は5才児でした。体をくるくるまわすとスカートが広がってお人形さんの様でした。それを見て私も担任も「しあわせな世界やね。」と顔を見合わせました。子どもの世界にはこうした瞬間がいっぱいあります。それを大切に重ねて伝え合うことを忘れてはならないと思います。