『思い出さがし』 49・夏休みの読書
夏がこんなに暑くなったのは21世紀に入ってからではないでしょうか。末っ子の夏休みの自由研究の1つに『我が家の温度調べ』というのが出て来ました。昭和60年の頃の研究です。我が家は寺院なので部屋がいくつもあります。普段使わない部屋は物置になっていることが多いので、子ども達の友人が何人も遊びに来て、かくれんぼをしたりして楽しんでいました。子ども部屋が3つと夫婦の寝室に下の息子2人が川の字になって寝ていた頃なので、5か所に温度計を置いて夏休み中の各部屋の温度を測り、表にしたものでした。子ども部屋、本堂、廊下、親の寝室、応接室の各部屋の温度を見ると、30度を超す日が数える程しかありません。そして広い応接室には(読書する部屋)と括弧書きがしてあり、室温は常に28度位です。それも2時の観測時ですので、最高の温度だったのでしょう。窓を開けて風を通していると、今の節電時の室温だったようです。そこで親子でよく本を読みました。殆どが読み聞かせでしたが、アラビアンナイトや小公子、小公女、かもとりごんべい、イワンのバカ、へっこきよめさ、小泉八雲の怪談、そして昔話を色々。時間も一定せず、その日の気分で読んだり語ったりしたことだけは覚えています。お化けの話をしてくれというので、でたらめ話を昔話を参考に語ったり、魔法をかける話をしたりして暑さを吹き飛ばしていたのでしょうね。でも、最近の様な暑さでなかったことは確かです。