『思い出さがし』 45・水遊び
いよいよ水遊びの季節になりました。水と遊んでいる子ども達を見ると、お母さんのおなかの中で水に浮いていた歴史があるんだなぁと思ってしまいます。とても伸びやかで楽しく安心して水に身を授けている光景をよく目にします。生命は水から生まれたと言われるだけあって、生き生きと目を輝かせて動く子ども達の自然な姿が、順調に育って来ていることの証となっている様です。でも、水の嫌いな子も何人かいて気になります。知人の産婦人科の医師と話し合った時、彼は「水の苦手な子は統計をとったことはないが、出産時、早期破水をして帝王切開に急遽切り替えた子が多いのではないかな。」水への抵抗感が本能的に記憶といて残っているのではということでした。また、乳児期に水との出会いが悪かった子も、きっと何らかの影響があるのではと話してくれました。例えば、お風呂で溺れかけたとか、いきなり冷水を浴びたとか、水たまりで転んだとか、とにかく水と関係のあるイヤな記憶があるのではないかというのです。それも、決して大人ならば忘れてしまう様なことが体で憶えているのが乳幼児期の特徴だと言っていました。水遊びの日にぽつんと周りで遠くの遊びを楽しんでいる子を見ている子にどんな記憶が残っているかはわかりませんが、人間は学習する動物です。少しずつ少しずつ水との戯れ方が分かって来ると、お母さんのおなかで水の中で安心して生活していた日のことを思い出して、水遊びを楽しめる子になるのだと信じています。