『思い出さがし』 227・子どもの夢③
いろいろな事があり、二週間ぶりの日記です。 「子どもって自由に夢を見るんだね。」と言ったパパさんがおられました。その横で5年生になった男の子が恥ずかしそうに顔を伏せて「パパ、やめてよ。やめて!」としぼり出すように話しています。「いいじゃないか、夢を見るってすてきなことだよね、先生。」と応援を求められて男の子をじっくり見つめることにしました。眉のキリっとしたすてきな少年でした。「お前は幼稚園の時から泣き虫で甘えん坊だったから男の子のくせに弱い奴になってしまって困ったもんだ。」と笑いながら、でも愛おしそうに話しておられました。いい父と子でした。「私のクラスにも夢みる夢子さんがいてね、いつもすてきな夢の話をしてくれるよ。」と言うと「えっ、本当?ね、どんな子?かわいい?」と早口で話かけてきました。目がキラキラ輝いています。「そうね、とてもかわいい子です。声もかわいいのよ。そしてね、みんなからメルちゃんと呼ばれていてね、夢のお話をしたら終わりがないくらいなのよ。」「いいな、ぼく、そんな子と夢のお話がしたいなぁ。今度いつか会える?」「今度の日曜日、何人かお友だちと一緒に私の家へ遊びに来るよ。君もおいで。」と言うと、にっこり笑ってパパさんに指切りげんまんを要求していました。そして、次の日曜日、2人が会うことになったのです。その夜はきっと2人共どんな夢を見たのか聞いてみようと思いました。
2016年07月24日 23:57