『思い出さがし』 226・子どもの夢②
「クライマックス?どんなマスクや?」とヤジが飛びます。「一番大切なところや。」とメルちゃん。「メルは小さいことも大きなことにしてクライマックスを作っとるし、もうわかった。神さまがみんなを守っとるから大丈夫やと思いなさいと言うんだろ。」と司会の男の子。「ありがとう!神さまのこと信じてくれて嬉しい!だったらもう少し聞いて。近くのお山にりんごの木も沢山あるの。その花も静かでおとなしくてバラの花みたいに美しくて、ハデじゃないのよ。神さまはね、もし梨の花やりんごの木の花が美しくてバラのように目立っていたら、道を通る人はきっと(わーきれい。一枝持って帰ろうかな)って思って、そっと枝を折ってしまうかも知れないでしょう。そんな人が何人もいたら、きっと梨もりんごも大きなおいしい実にならずに終わってしまうでしょう。だから神さまが実のなる木の花はとても静かで遠慮した色の花にしたんだと思ったの。ニュースでしょう!おしまい。」何人かの仲間が(そうやな)(考えたことなかったな)といった顔をしてうなづきました。思考の時間が流れた感じがしました。司会の男の子が「先生!さすがメルやね。ぼくらの考えたことのないことをいつも考えとるんやな。やっぱりメルヘンちゃんやな。」と考え深そうに言って、朝の会を進めて行きました。メルヘンという言葉を知っていることも驚きでしたが、仲間の言葉に納得して自分らしい反応をする子ども達を発見した喜びが残りました。
2016年07月10日 23:58