『思い出さがし』 199・読書④
私は子ども達が想像の世界を楽しんでいることが分かり、B君が現実の世界を主張している姿がとても心に残りました。想像する力は現実の世界を変化させ発展させると思います。「ライト兄弟が空を飛ぶ鳥達の自由な動きを見て、『空を飛べたらいいなあ』と色々想像し、どうしたら空を飛べるのか試していく間に失敗したり、落ち込んだりしながら研究をしたのではないかな。その研究のもとになった想像力は素晴らしいと思う。そんな想像の世界を大切にして欲しいし、現在のありのままをしっかり知って想像の世界をつなげていく力は人間の持っている大切な力だと思うけど、みんなはどう思う?」と問いかけると「先生、電波って知ってる。私のお父さん、無線機使ってお友達とお話できるんやぞ。糸電話も楽しいけど遠く離れた人とお話できんやろ。それに電線もないがに空気の中に流れとる電気の波をつかまえて話ができるんやて。でもね、時々『ピーギャキュー』って、うるさい音が入って来て、ビックリするけど『あ、また違う電波が入ってきた』なんてお父さん言ってるけど、空気の中に電波があるなんて知らんかった。」「でも、分かる。カミナリがピカッと光るのも電波やろ?」「へえ、面白い。でもオレ頭悪いし想像する方にまわるわ。」いつも皆を笑わせて楽しい気分にさせてくれるH君は、その日からライト兄弟の伝記やフランクリンの伝記などの本をお小遣いから買って来たり、想像力のある少年として年令に合った本を図書室から借りて読むようになりました。
2015年12月25日 23:58