『思い出さがし』 197・読書②
1年生の担任をした時、朝の会や終わりの会の余った時間を利用して昔話をよくしたものです。その時の子ども達のキラキラした瞳は忘れることができません。時々入れるデタラメ話にも目を輝かせる子ども達に感動しました。「その話、ばあちゃんから聞いたことある。」「知っとる、知っとる。」「もう10回も聞いたよ。」という子ども達は繰り返しの昔話を何度もせがむので、私は花咲かじいさんや浦島太郎や桃太郎の続きを面白く創作して話すと、いつも終わりの会が長引いて習い事をする子に迷惑をかけていました。かちかち山の話は、とても残酷で縁の下に婆さんの骨がある所を話すと、みんな肩をすくめて「こわい、こわい。」と震えていました。でも、昔話は日本だけでなくフランスでも、イタズラ小僧が懲らしめられる話もあります。きっと、いたずらっ子を戒めるための寓話なので、より激しい内容になっているのでしょう。舌切り雀の話も、はさみで舌を切り取られる場面や大きなつづらから蛇やゲジゲジやお化けやドロドロしたものが、いっぱい出て来る話も悪いことをしてはいけませんという先人の願いを伝えたものなのでしょう。世界中にそんな話がいっぱいあるのですが、子ども達を心正しい子に導くための大人達の愛情であり願いなのでしょうね。登場人物は善人と悪人が並んで出て来て必ず善が勝つというストーリーが伝えられています。子ども達の心にそのストーリーは、どう響いているのでしょうか。
2015年12月11日 23:57