『思い出さがし』 186・いろいろな子と出会う②
「ありがとう!」涙声の私を見て笑う子と不思議な顔の子、もらい泣きする子。小学1年生と違って2年生になると少々複雑な思いを受け止める子も出て来ます。「A君は?」と問いかける子に『サザエさん』の絵の話をすると隣の机の子が「私、もらったことある。影絵なんだよ。それがね、見るとすぐわかる髪型なのよ。」と言います。(そうか、知っている子がいるんか)と思っていると、その後ろの席の子が「A君、天才やぞ!天才!」と付け加えてくれます。(そうか、存在感のある子なんだ。私には見えてないことが沢山あるんだ。ごめんね)と思って、「今、3組の教室に1人でサザエさんを描いているので時々見に行くね。」と言うと「先生、ボク見て来る。」と言う子が数人。「そっと見に行くだけにしてね。2人でいいと思うよ。」「ほんなら、O君とM君。」と推薦されたO君とM君が私の指定した時間に見守り隊として行ってくれました。チャイムが鳴って教室へ帰るとA君がホッとした表情で迎えてくれました。1人には、なったけど心細かったのでしょう、やがて出席順に友人達にサザエさんのシルエット絵を分けてくれました。11枚ありました。みんな大喜び。「次はボクの番や!」と12番目のH君が嬉しそうです。「なんで?」と言う子に対して、「だって出席簿順やもん、なっ、A君。」「うん。」とうなずくA君。いい表情です。ひとりひとりの良さをみんなで理解し合う2年生社会の美しさに胸があつくなります。ところが、その中にたった1人「そんな絵いらん。」と言った子があらわれたのです。
2015年09月25日 23:57