『思い出さがし』 156・育つ環境②
兄をA君、弟をB君と呼んでみることにします。1、2年に出会ったB君と3、4年に出会ったA君は、母の突然の死により生後すぐに父親の兄夫婦と母親の妹夫婦の元に引き取られ育てられることになったといいます。兄夫婦には2人の男の子がいて、妹夫婦には子どもができなかったと聞きました。兄夫婦にA君、妹夫婦にB君が預けられたようです。夫婦で理髪店を開いている所にA君、夫が公務員で妻が専業主婦の所にB君。今思い出しても頭が変になるような運命的な出会いです。男の子が2人もいて忙しい両親の元でのA君は、元気で小さなことには気を使うタイプでなくおおらかな子でした。3年生という年令かグループ意識を高め、リーダーとしての素材が伸びていったのかも知れません。2人の兄は8才と6才の差があり、小さな弟としてきっと可愛がられて育ったのでしょう。人の話をよく聞き真剣に答える誠実さもあり、ガサツだけど人気者でした。一方のB君の情報を聞くと、手のかからない優等生で、女の子の人気抜群。両親の自慢の子だとのこと。心配なのは男の子と交わることが少なく静かすぎるとのことでした。4年生になった時、両方の家族は2人に本当のことを話したいと相談に来られました。そのわけを聞くと、高校へ進学した時、真実を知って苦しんで旅に出た子がいると聞き、早い方が思春期になるより良いと思ってということでした。
2015年02月13日 23:56