『思い出さがし』 68・雪の思い出②
昭和56年の大雪は、雪の量より寒さに悩まされました。あちこちで路面が凍って車が立ち往生し、車から出ようとしたらドアが凍って開かなくなる現象がいたる所でおきました。ミニバスの扉が全て開かなくなり、車の中に積んであった水を流したらどうにか開いたので、子どもを降ろして玄関まで連れていったところ、「先生、大変でしょう、お湯を沸かしておきましたから使ってください。」と魔法瓶を頂きました。停車しているミニバスのドアを開けようとしましたがビクともしません。早速頂いた魔法瓶のフチを開けてドアをスライドする部分にまきました。白い湯気が上がってドアはすぐ開くと思ったのですがビクともしません。熱いお湯をかけたので、その水分が蒸発する時にまわりの熱を奪ってしまうのです。その分より冷えてしまったのでしょう。中のやかんの水をスライドの所にまいてくれる様に年長の男の子に頼むと「やっぱり水の方がいいよってパパが言っとったもん。」と言って実施してくれました。力一杯ひっぱると、重い音をたててドアが開きました。運転席も開かず乗務していた私も中へ入れない程気温が下がっていた冬は何度もそんな日がありました。やっとドアを開けて用をすませて来ると、すっかり氷ついてドアの開かなくなった車を何台も見て、園の前でドアの開かない車に井戸水を渡した思い出があります。最近そんなことはあまりありませんが、気象関係は予報が難しく、どんなことがあるかしっかりシュミレーションしておく必要があるのでしょう。今年がそんな年になりませんようにと祈るばかりです。