『思い出さがし』 48・夏休みの思い出②
最近の日差しはとても強くて、海水浴に行くのも何となく億劫になりがちです。日光浴は身体のために大切なことだと教えられていたのに、今では皮膚がんのもとになると言われ、UVカットの乳液を全身に塗りたくって短時間だけ太陽をあびるという時代になってしまいました。子ども達がまだ幼児の頃は、太陽の光の中で思いっきり体を動かして、真っ黒になって2学期を迎えるのが恒例でした。黒んぼ大王となって表彰されたこともありました。紫外線が有害だということがわかって、報道関係が騒ぎ出すと、海水浴客がすっかりいなくなり浜茶屋が消えて行く所もありました。どの時代でも言えることですが、健康に関する報道にはだれもが敏感で、あっという間に流行の激しいうねりになってしまいます。オーストラリアでは、夏は目だけ出してあとは布で身体を見せない様にしているという情報を手にしたある団体は、プール遊びをして太陽の光の中で笑い声をあげている幼稚園を見学して「こんな危険な園に子どもは預けられない。」と投書したということがありました。その時ある小児科の先生が「日本人は黄色人種です。白人のようにメラニン色素の少ない人種と違って、神経質になることはありません。少しでも日光を浴びてビタミンDを補うことも大切です。」というコメントがあったことを思い出します。夏しかできない大切な思い出を家族で作るのは大事なことだと思います。私は3人の娘と共に夕食の準備をしながら「この子達が大人になった時、社会はもっと変わるだろうな。」としみじみ思いました。