『思い出さがし』 44・ザリガニにさわる
20年前の子も今の子も小動物が大好きです。てんとう虫、だんご虫、かみきり虫、あぶら虫、青虫、おたまじゃくし、めだか、あめんぼう、かまきり、みの虫、バッタ、あり、ちょうなど、園庭や園の近くにある草むらや石の下をのぞいて群がる子は男の子が多い様です。園の遠足で取りに行くザリガニも興味があり、釣りに行く時を含めて大人気です。取って来たザリガニを大きなタライ等に入れておくと、小さな子から大きい子で皆のぞきに来て「さわった。」「つかんだ。」「こわい。」「にげた~。」「ちょっとつついた。」と口ぐちに騒ぎながら、つかんだ子は憧れの的になります。いつもはワンパクな子でもハサミを持ち上げて後ずさりするザリガニは恐いらしく「こら、ハサミはダメ!」「おとなしくしろ!」などと口では強いことを言ってますが、タライのふちから身体をのけ反らせて逃げ腰です。その反面、いつもは大人しい静かな子が、グイッと大きな強そうなザリガニをつかんで、上のほうへ持ち上げるのを見て「スゲー」と小声で言って、ひそかに尊敬の瞳でその子を見て、自分も持ってみようとするのですが、ツメが恐くてなかなかできません。次々とつかんで見せてくれる子が続くと、そっとその場から離れて行ってしまう子もいます。やがて元気なザリガニも触られて元気がなくなり大きなツメを振り上げなくなると、ワンパクで負けたくない子の出番です。大きなザリガニをつかんで嬉しそうに「やったーつかまえたぞー!」と叫んで自信を取り戻します。「少し弱ったからや。」と言う女の子の一言で、無言で水の中へ戻す姿がかわいいです。