『思い出さがし』 31・子育てのお手本
新1年生になる子は、きっとドキドキワクワクの時期でしょうね。1年生の担任にとっても同じです。幼児期にあまり保育の体験の少ない子にとっては、家庭からいきなり小学校への入学となる子がいた時代がありました。でも、入学式はとてもきちんとしていて気持ちの良いものでした。緊張はしていても新鮮な思いが強く、瞳の輝きは現代の子ども達より美しかった様に思います。情報も少なく、心を乱されることのない時代だったのでしょうか。きっと子ども達も少ない情報を大切に知って親子で楽しみにしていたのでしょうね。そんな1年生を担任した若い日の自分を思い出すと、やはりドキドキして子ども達を迎え、明日を楽しみにしていました。とても毎日が新鮮で、家庭の様子がよくわかり、お母さんと子どもの話をするのが嬉しくて、お母さんて素晴らしいなあと子どものことを笑顔で語る姿に感動したものです。当然沢山のお母さんと心を通わせることができ、子どもを持った時にとてもお手本になった素敵なお母さんに恵まれました。まさに、お母さんに育てられた自分がいたのです。今思うと本当にありがたくて、子育ての基本がこうしたコミュニケーションの中で育ったことに感謝し、1人で悩みを抱え込むこともなく、あふれる情報にふりまわされることもなく子育てを楽しんで来ました。様々な家庭に様々な子育てがあり、それが実は大切なことなのだとしみじみ思います。近くにお手本のある子育てはとても大切だということを若いお母さんに知ってほしいものです。
2012年03月30日 13:27