『思い出さがし』 21. ママ友
AさんとBさんの母親は仲良しのママ友でした。そこへCさんが転校して来ました。表情豊かな明るいママでした。子ども達も1年生なので、すっと仲良しになり楽しい学校生活を送っていました。秋に学習発表会があり、Cさんは持ち前の明かるさで葉っぱの形の研究を楽しくまとめて来ました。AさんはBさんと協同で、どんぐりや松ぼっくりでかわいい動物や壁飾りを作って来ました。理科の専科の先生が感想を述べられた時、Cさんの葉っぱの研究がとても考え深いものになっていると言われ、AさんBさんも1年生らしい楽しさにあふれていると言われ、各々大満足でした。しかし、会の後で他のクラスから、Cさんの作品には大人の手が加わっているという声があがり、AさんとBさんの母親がそれを信じて、Cさんとの交流が少なくなって行きました。Cさんが暗い顔をしているのを見て、母親はAさんBさんの母親に悩みを打ち明けました。AさんBさんの母親は、他のクラスからの噂のことを話しました。「ありがとう、教えてくれて。私は手伝っていないので兄にも話してみます。」と言ってCさんの母親は、4年生の兄に妹の葉っぱの研究を話しました。兄は「母さん、自分の娘を信じろよ。あいつ、夏の旅行も秋の遠足も袋いっぱいに葉っぱを集めて、自分で押し葉を作っていたんだぞ。」と叱られてしまいました。自分の子どもの行動をしっかり見守って信じてやることの大切さを、AさんBさんCさんは再確認して、3人のママ友は娘達が大きくなってもママ友です。
2012年01月20日 13:49