『思い出さがし』 ⑰体を動かすお母さん
ある保育園の父母会に出かけた時のことです。玄関で3人の男の子達が手に手に縄跳びを持って出迎えてくれました。「おばちゃんだれや?」と言うので「幼稚園の先生や。」と言うと「その幼稚園どこにあるが?」と問いかけて来ます。「金沢って知ってる
?」と聞くと「うん。ぼくのお母さんのお里やし行ったことある。」と嬉しそうです。「ここは羽咋やしちょっと遠いね。」と言
うと「ぼくの生まれた所は小立野っていう所や。ばあちゃんの家がある所や。」と縄跳びを回しながら元気一杯です。他の2人も
飛び始めましたが、まだまだ縄を前に置いては跳び置いては跳びのレベルです。小立野で生まれたという子だけはリズムに乗って
ぴょんぴょん跳びます。「上手やね。かっこいい。」と言うと「ママとお庭で毎日競争しとるがや。」と明るい笑顔で跳び続けま
す。あとの2人は跳ぶのをあきらめてどこかへ行ってしまいました。「お母さんと一緒に色んなことをするの?」と聞くと「うん
。ハネつきもしたよ。キャッチボールもしたし、サッカーもするよ。」と目をキラキラさせています。子どもと一緒に体を動かし
て遊ぶことのできるお母さん、それを楽しんでいるお母さんは遊び心の沢山あるお母さんなのですね。何度も何度もあや跳びをし
て見せてくれる子が「あっお母さん来た!」と言って幼稚園玄関に走り出しました。にこやかな母親の背中には妹がピンク色の帽
子をかぶって寝ていました。母親は玄関の時計を見て「今日は35分で着いたわ。今度は30分になるよう頑張るぞ。」息子とハ
イタッチ。歩いて来られたのです。脱帽でした。
2011年12月23日 14:02