『思い出さがし』 ⑪ 女の子の言葉づかい②
母親が何気なく使っている日常語の中に、ことばの持っている暴力的な力や、傷つきやすい言葉に対するセンスやデリカシィなどに無関心な人が多くなったと思うことがあります。職場やタテ社会でことばのことで激しく注意されたり傷つけたりついたりする体験を沢山持っている人は男性に多いため、女性のとんでもない発言にびっくりすると言われた方がいて、そうなのかと納得したことがあります。核家族化が進んで若い世代だけになると、短くしたことばや流行語が盛んに使われ、両親世代に気兼ねせずに話す様になると敬語も使われなくなり挨拶も短くなるのでしょう。
「色んな世代のいる職場で働く男性ではなく、同年代での楽な職場で働いている女性が、家に帰って我が子に『死ね』『きもい子やね』と簡単に言ってしまうというのも分かる気がしますが、本来、言葉には品性が表れるものです。軽々しく『死ね』『きもい』『あんたなんかいらん』と口に出す人には、それを言われたことで傷つき、こんなことばは恥ずべきことだと思う知性、品性が欠けているのではないのでしょうかね。」と話し合いました。小学生で悪態つくことが口癖になっている子に「『ダメやよ、言われた子は傷つくんやぞ』と教えてやる子がいるから大丈夫や園長先生。」大人の世界では面と向かって言えないことを、ストレートに話せる子ども達を信じて見守りたいと思いました。そして、傷ついた時「止めて」と主張できる子を育てたいと思っています。