青竜幼稚園・青竜第二幼稚園

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園長日記

『思い出さがし』 218・小さな命②

着物の裾を捲り上げて母が階段をかけ上がって来ました。私の抱いていた赤ん坊を引き取って小さな胸に指を当てて人工呼吸を続けました。小さな小さな胸でした。母の3本の指が動き続けます。少し赤味の出て来た赤ちゃんを見て母は、「頼む、これを続けて!余り力を入れると肋骨が折れて肺に突き刺さるから、そっと続けて!母さんお医者に電話して来る。」と言って赤ちゃんを渡されました。まだ名前もついていない子に「とみちゃん、がんばれ!生きるんやぞ、がんばれ、とみちゃん。」と勝手につけた名前で小声でつぶやき続けました。しゃっくりは止まりません。時々、フーと言って静かになりますが、何故か笑っている様に見えて「とみちゃん、とみちゃん。」と呼びかけながらお医者さんを待ちました。もう1人の赤ちゃんが大きな声で「オギャ!」と泣くのを聞いて私の名づけた、とみちゃんは弱々しく泣きました。そして、大きなしゃっくりをした途端、心臓の音がはっきり聞こえてきました。「コトコトコトコト。」人工呼吸をする指先に伝わって来ます。そして「コントン、コト、コトン。」と少し大きな音がして、赤ちゃんは静かになってしまいました。私の胸の中で心臓が止まったのだと実感すると私はその赤ちゃんを抱きしめて壁に寄りかかってボーとしていました。ふと気がつくと若いお母さんが私を横から抱えて「ありがとう、せっちゃん。生まれた時から覚悟してたんや。最後に優しい人に抱かれて仏様の所へ帰って行ったんやと思う。ありがとう。」この言葉が今でも心の奥で生きています。
2016年05月08日 23:58

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